Gift | ナノ

ぐったりとしたようにソファに体を沈めるトラファルガーの目尻にキスをする。
そうすれば潤んだ瞳で見つめ上げられた。

「…はっ、ぁ…やっ、も…喋り、たくな…」
「なら喋らないで喘いでればいいだろ」
「っ…バカ…痛、い…だから、な…」

べっ、ともう一度舌を出されて、その舌に思わず見入る。
そうして引き寄せられるように自らの舌をそれに絡めた。

ぺろりと舌を舐めると慌てたように奥に引っ込んでしまったので、またそれを追いかけて深く絡め取った。

「んぅっ!ん、んんっ!」バンバンと背中を叩かれたが気にせず、悪戯に、少しだけ緩く噛んでやるとびくりと肩が大袈裟にはねたので少し面白いかもと思ったり。
でも嫌がってることには変わりないので、早々に唇を離すとぼろぼろ零れる涙を舐め取ってやった。

「も、何な、だよ…っ、ユースタ、屋のバカ…!」
「悪かったって。痛かったか?」
「痛い、に…決まって、だろ…っ、馬鹿、エロスタス…」
「はいはい、もうしないから」

ちゅ、っと額にキス落とすと、ぐずるトラファルガーの唇にも触れるだけのキスをする。
そうして宥めるように頭を撫でるとそれ以上は何も言わなくなった。



「なぁ、もうしなから、さ」

なに?とは言わないが、そう言いたげな顔でこちらを見つめるトラファルガーににやりと笑うとその腕を引いて上体を起こさせる。

「続きしていいだろ?」

そっと耳元で囁くと逃げられないよう抱き締めた。









「こら、逃げんなって」
「やぁ、っ、だっ、ぁあ!」

ぐちゅり、と挿れた指で中を弄るとトラファルガーの背筋が震える。
逃げるように引いては浮き上がる腰を掴むと無理矢理押さえつけて感じるところを責め立てた。そこを突くように抉るように触れればそれだけで背に回す腕に力がこもる。
肩に埋められた顔を上げさると快楽に蕩けた表情をしていて、それに自分にも余裕がなくなっていくのが分かって指を引き抜いた。

「んっ、あ…」

指を抜いただけで、それだけなのに媚を含んだ甘い嬌声が耳を擽る。
ぼんやりと快楽に浮かされた瞳はそれでも俺を捉えてるらしく、どこか強請るような視線を送っていた。

本当にこれで無意識なんだから性質が悪い。

じわりと涙の浮かんだ目尻に一つキスを落とすと腰を掴んで持ち上げる。
挿れるぞ、と耳元で囁けばトラファルガーの肩がびくりと震えた。

「あっ…きっ、ど、ま…っ、ゆっくりが、い…」

はぁ、と熱い吐息を洩らすと懇願するように涙で潤んだ瞳がこちらを見上げる。


そんな顔でそんなこと言われて、はいそうですかってゆっくり出来る奴なんているのだろうか。




「や、っ、ひっ、ぁああ!」

掴んだ腰をぐっと下に突きおろすと一気に奥まで挿入する。
そうすれば熱を感じた体がびくびくと震えて、回された腕に力がこもった。

「まだ挿れただけだぜ?」
「ひっ、あ…だ、って…」

そんなに気持ちいいかよ、とにやりと笑って囁くと、俯いた瞳からぼろぼろと涙が溢れ落ちる。
それにぐちゅりと腰を動かすと、唇をついてでる甘い声。

本当、気持ちいいことに従順で敏感な体だよな。

「ああっ!やぁ、まっ…っ!」
「俺にどんだけ待たせる気だよ」

もう待てねェって、と耳元で囁くと律動を開始する。
ギリギリまで引き抜いてはまた一番奥を突いて、その繰り返し。
柔らかくなった内壁を押し開いて、揺さぶって突き上げれば、その度に結合部から鳴り響く淫らな音にトラファルガーは顔を赤くして首を振った。

「んあぁっ!ひっ、や…もっ、やぁ、ふか、い…〜〜っ!」

しっかり押さえつけて何度もいいところを突いてやると、強い快楽に眉根を寄せて必死になって縋りつく。

自分の重みも加わって、いつもより奥深くまで入り込んでいくこの体勢がこいつは苦手だったりする。
確か気持ちよすぎて辛いだとか、そんな可愛いことを前に言っていたような。

「ひぁ、っん!あっ、あ、きっ、ど…や、あぁっ!」

ぐちゅぐちゅ、とトラファルガーのいいところを責め立てれば、その度に首を振ってしがみつく腕に力がこもる。
快楽に虚ろな瞳は俺だけを映していて、うわ言のように名前を呼んできては縋るように見つめ上げた。

「ふっ、あっあ、きっど、きっ、ど…っ!」
「…っ、ロー?」

何度も名前を呼んでは懇願するように見つめてきたので、少し律動を緩めるとトラファルガーの唇からちろりと赤い舌が覗く。
その唇に触れるだけのキスをしてすぐに離すとふるふると首を横に振られた。

「ひっ、あ…きっど…や、もっと…っ」
「っ…痛いんじゃなかったのかよ」
「んぁっ、い…から、いたくても、い…」

上手く呂律の回らない舌足らずな言葉で、じわりと涙が滲む瞳に訴えかけられて、断れるほど理性はしっかりしていない。
途中でなんて止めねェからな、と半ば自棄気味に唇を塞いだ。

「んん、っふ、あ…」

唇をあわせると優しく舌を愛撫する。
噛みついたり吸い付いたりといったような刺激は与えず、その代わりに歯列をなぞり、上顎を撫で上げて丹念に舌を絡ませた。

そうして律動を少し緩やかなものに変えながらキスを続けると、次第にトラファルガーの体から力が抜けていく。

「ふっ、く…んんっ!んん…ひあ、ああっ!」

閉じていた目を開くと、痛みか快楽か、もしくは両方か、眉根を寄せて、それでも必死に自分から舌を絡めてくる。

それに堪えきれずに緩めていた律動を激しくすると、塞いだ唇からくぐもった嬌声が溢れ出す。
縋りつく腕に唇を離すとより一層高い声が耳をついた。

「んぁあ!や、ぁ、あ、きっ…も、いく…っ!」
「っ、いいぜ…イけよ」
「や、だめっ、やぁっ、あ、あ―…〜〜っ!」

限界を訴えたトラファルガーの自身も同時に抜いて、より強い刺激を与えてやる。
そうすればびくんと体が跳ねて、その強い締め付けに、中に全て吐き出した。







結局、久しぶりにしたせいで一回で終わることはなかった。
気づけば最後の方で意識をとばしたらしく、ぐったりとソファに沈み込む体に、やりすぎたかと頬を掻く。

案の定次の日、トラファルガーはいつも以上に寡黙で、疲れたのかあまりベッドから動こうとしなかった。



「お前俺より若いんじゃねェの」
「……うるさい」

ベッドの縁に座ってそう言うとトラファルガーに睨み付けられる。
だがそれ以上はやはり何も言わず、ムスッとしたようにシーツに顔を埋めた。

「機嫌直せよ」
「…別に、悪くねぇし」
「眉間に皺寄せて言うセリフじゃねェな」

肩を掴んでこちらを向かせると、ふいっと顔をそらされる。
多分、あの一回で終わらせとけばこんな不機嫌にもならなかったんだろう、とも思ったが今更もう遅い。

「…もう、あんま喋んねぇから」
「治るまで?」
「…ん」

振り向いた不機嫌そうな顔はそれだけ言うと視線をそらした。
じゃあ早く治せよ、と言うと、なら話しかけるな、と。

「…あと」
「まだ何かあんのか」
「治るまではシないし、キスもすんなよ」

痛いし、やっぱりもうしたくない、と言ったトラファルガーに顔を顰めると自業自得と笑われた。


あぁもう、ちゃんと我慢してやるから早く治せ。







相互してくださったtocoちゃんに捧げます!
えっと…あれ?これどこら辺が甘やかしてるの?甘やかされてるの?^p^←
何か全然甘やかしてなくてごめんね…!
その代わりゲロ甘は意識した…つもり←
大丈夫かこんなのでorz

こんなのでよければどうぞ!
これからも宜しくお願いします^^





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