絵空事 | ナノ

一から十まですべて。ローに教え込んだのは俺だ。その体を開き、弄り、刷り込み、この四肢に触れられるのは俺だけだと思えば思うほど背筋に恍惚とした快感が滑り込む。目の前で泣き、頬を染め、手を伸ばし、俺を求めるその姿が堪らない。可愛いかわいい、俺のロー。

「ロー、口開いて」
「ん、こう…?」

初めて教えたのはキスだった。何度も触れるだけのキスを繰り返し、うっすらと色づいた頬に手を当てて囁く。そうすれば俺の言う通りに口を小さく開くロー。腰に回した腕で背中を擦ると唇を塞いだ。

「んっ…」

小さく吐息が洩れ、舌をさしこめばびくりと肩が震える。
奥に引き込む舌を絡めて引き出せば、服を握る手に力が入った。目を瞑ったローの睫毛がふるりと震える。柔く舌を噛み、擦り合わせるように擦り付ける。ちゅくちゅくと交わる唾液の音にローの頬がさらに赤く色づいていく。

「んふっ…ふ、ぁ、あ…」
「舌出して…自分で動かしてみ?」
「っまく、できな…」
「大丈夫、俺の動きに合わせるだけでいいから」

一度唇を離し、触れそうな距離で囁くと涙目で見つめるローがこくりと頷く。その可愛さといったら。ふっと笑うともう一度唇を塞ぐ。今度は控え目ながらにローの舌が動き、重ね合わされるそれ。おそるおそるといったような動き、それでもロー自身の意思で動かされるそれに愛しさが募る。最初は緩いその動きに合わせていたが、だんだんと抑えきれなくなり、そのまま深く口付けた。それにびくりとローの腕が動き、小さく押された胸に逃がさないと阻止するように後頭部に腕を回す。くぐもった声が聞こえ、口端からは飲み込みきれなかった唾液が顎を伝っていく。

「んんっ…ふっ…」

くちゅくちゅと音を響かせて舌を絡め、空いた左手でローの尻を揉む。びくびくと腰を揺らし、それでも必死に舌を合わせるローがかわいくて仕方がない。
暫く続けていたが息苦しそうに眉根を寄せたので、後頭部を押さえていた手を離すと背中を撫でてゆっくりと唇を離す。唾液が糸を引き、荒く息をしながら目を潤ませるロー。紅潮した頬にキスを落とすと、するりと下着の中に手を入れた。

「んっ、ゃ!?ユー…!」
「はは、すげェぐちょぐちょだな」

耳元で囁けばローの頬が赤く色づく。ぐちゅ、と音が響くほど濡れたそこ。恥ずかしそうに首を振るローを尻目に音を立てて性器を擦ってやる。

「ふっ、あぁ、あ…」
「キスだけでこんなにしたのか?やらしいな、ローは」
「やっ、ちが…ひっ、ゃあ、先っぽ、や、あぁ!」

恥ずかしいのか、肩に顔を埋めるローの頭を撫でるとくつりと笑う。ご要望に答えて先端を何度も強く擦ってやれば、そのたびに腰を揺らし嫌だと言うように首を振った。そのくせ瞳はとろとろと蕩けていて、響く嬌声がもっとと訴えかける。理性が拒んでも本能で追い求めるその姿が堪らなく可愛くて。
肩に埋められた顔をこちらを向かせると再び唇を塞ぐ。口の中でくぐもった声が響き、舌を絡めながら扱く手を早くすれば服を掴む手にぎゅっと力が入った。

「んっ、んん…ふっ、ぁっ、ああ…!」
「かわい、ロー…もうイきそう?」
「あっ、だ、めッ…ひぁ、もっ、でちゃ、あぁ!」
「ん、いいぜ…ローが可愛くイくとこ見して」
「やっ、ゃあ、みちゃ、ッ…あ、ひっ…キッド、もっ、――ッッ!」

唇を離し、そらせないよう顎を固定すると顔を赤く染めるロー。零れ落ちる涙を舌で掬い、抵抗を丸めこんで射精を促すように手を動かすと、俺の名前を呼びながら絶頂に達した。見ちゃイヤなんて言いながらも俺の手を振り払えないローが可愛い。最後の一滴まで搾り取るように手を動かし、びくびくと腰を震わせて余韻に浸るその姿を洩らさずきっちり目に焼き付ける。

「っ、みるなって、いったの、にぃ…」

荒く息を吐きながら恥ずかしそうに抱きついて顔を埋めるローの頭を撫でる。なんでこんなに可愛いんだろうな、こいつ。

「今度はキスだけでイかせてやるよ」

くすくす笑って冗談交じりに耳元で囁けば、力のない手でぽすんと殴られた。




***
キスシーンの練習がしたかったのに…あれ。
キスだけでイっちゃうローたん書きたいです。



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