絵空事 | ナノ

「ユースタス屋、ユースタス屋。もう朝だって…ユースタス屋」
「ん、…ぁ?…ふぁ、…」
「おい、また寝ようとすんなって。起きろよ」
「んー…、…?……トラ、ファルガー?」
「見りゃ分かんだろ」
「…は…なんでここにいんの、お前…」
「来たかったから来た」
「なら起こすなよ…まだ八時だぞ八時…」
「もう、の間違いだろ。なぁ、寝るなってば。朝飯、お前のために作ったんだぞ?」
「おー…おいとけ、あとで…」
「ユースタス屋」
「いっ…だだだ、分かった起きるから!髪引っ張んなっ」
「ならちゃんと一発で起きろよな」
「へーへー、悪うございましたよ…」
「ふふ、なら早く起きろよ、せっかくお前のために作ったんだからな?」
「…あぁ。(起きたくねェ…。)」




「はい、どーぞ」
「…どれだ?」
「目の前にあんじゃん。まだ寝惚けてんのか?」
「お、おう。(やっぱりこれで間違いねェのか…何だこれ、色がまじヤベェだろ。食うの恐ええ…!)」
「ユースタス屋?食わないの?」
「…いただきます」
「ふふ、ちゃんと食べてな」


もぎゅもぎゅ
ガリッ、ごぎゅ…もぎゅもぎゅ


「(ちょ…音ヤベェぞこれ…つかガリッて何ガリッて…卵の殻か?多分この茶色いのは玉子焼きだろうし…つか殻じゃなかったら困るわぁ…。)」がきゅ、きゅっ
「ユースタス屋、どう?」
「(どうって不味いに決まってんだろ…頼むからそんな楽しそうに聞かないでくれよ…。この見た目でお前は美味そうに思えるのか?でもな…でもなぁ…、)」ゴリゴリ
「…美味しくない?」
「いや、美味いよ。(正直に言える訳がねェ…!)」ゴクンッ
「そっか!よかった」ニコッ
「クソッ…可愛いんだよ畜生が…」
「え?」
「何でもねェよ。…それよりいきなりどうしたんだ?今までこんなことしなかったのに」
「新婚さんごっこ!朝起こしてご飯作るとか、ぽくない?」
「じゃあ今度起こすときは裸エプロンで頼む。何か色々と元気になれそうな気がするから」
「なんかいきなりなり生き生きしだしたなおい」
「恥じらうお前に騎上位で突っ込みたい」
「聞いてもいない煩悩が聞こえてきたんだけど!ユースタス屋お前頭大丈、ぶ」
「ご馳走様。じゃあいただきます」
「ちょ、おい!ユースタっ……」


暗転。




近所のアパートで一人暮らししてるキッド(20)の家にはよく幼馴染み兼恋人のローたん(16)が遊びに来ます。今朝も勝手に来たみたい。合鍵は渡してあるから本当勝手に来る。
このあとキッドにちゅっちゅっされてメロメロメロウになっちゃったローたんは裸エプロンつけて騎上位で頑張ったとさ。めでたしめでたし。


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