絵空事 | ナノ

あにおと。キッド(17)、ロー(5)とかそのぐらい。


「ロー、ちらし寿司出来たぞー」
「………」
「…ロー?早く食べないと冷めるぞ?」
「…やだ」
「ん?」
「たべたくない」
「え…っと、もしかして嫌い?」
「ちがう。だって…ローおんなのこじゃないもん…」
「いや…ん…?そりゃ分かるけど…それがどうかしたのか?」
「おひなさま、お祝いするのおんなのこだけってセンセー言ってた。ローおんなのこじゃない」
「で、でもそれとこれは別だから、な?」
「べつじゃない!さっき『今日はおひなさまの日だからお祝いしなきゃ』ってキッド言ったもん!」
「あー…、言った、っけ?」
「言った!この服もやだ!ピンクはおんなのこが着るの!」
「や、でも似合ってるし…可愛いよ?ロー」
「かわいいのやだ!かっこいいのがいいの!やだやだやだっ」
「(やばい泣かれたらやばいだけどまだ写真撮ってないし脱がせる訳には…!)……じゃあ…ベポも嫌いなんだな?」
「好きだもんっ」
「だってベポかわいーじゃん。可愛いのローはヤなんだろ?ベポのぬいぐるみもいらない?」
「!!…っ、…っ!」
「あ、ちょ、まってローごめ、」
「ベポはいいの!!キッドなんかきらい!!!」
「きら…っ!ごめ、ごめんってロー!俺が悪かったからな?泣くなって、着物も脱がせるし…!」
「ぐす、っ…泣いてなぃ、…ぅ〜、」
「ほら、もうパジャマに着替えような?ベポのパジャマだぞー!」
「…っ、ふ…はやくぬがせろ…」
「…ん、ピンクは女の子の色だもんな。もう着せないから許してくれる?」
「…こんど着せたらホントにキッドきらいになるからな」
「分かったよ。(あー…写真…。)」




ボニーちゃんが「部屋掃除してたら出てきたんだけど捨てるのもったいねーしやるよ!弟にでも着せれば?可愛いんだろ?」とか言うのでついうっかり着せちゃったキッド。
ちなみに数年後、ローたんは逞しくなります。


「キッドーあのなー俺ほしい本があるんだけどちょっと買うのムズかしくて…」
「…で?」
「だけど絶版になってたやつの復刻版だし、初版でまたすぐなくなっちゃうかもだから今絶対買わなきゃなんだ…だから」
「お前なー、この間も買ってやったろ?」
「でも…ほしい」←上目遣いでちらり
「…っ、ロー、あのな、」
「キッド…おにいちゃん、だめ?」
「買わせていただきます」




昔から呼び捨てで呼ばれてたから、おにーちゃん呼びに弱いらしいよ。おにいちゃんおにいちゃん言うと大体キッドは言うことを聞いてくれたりする。
あんまりにもローがおにいちゃん言うので(その分はがっつり貢がされてるが)、普通のときでも呼んでくれんのかなーと思って言ってみたら「は?馬鹿じゃねぇのマジきもいし。どうしても呼ばれたいんなら『呼んでくださいロー様お願いします』と土下座しろ」って返されたので育て方を間違えたなーって思ったキッドでした。


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