絵空事 | ナノ

(性懲りもなくあらすじ風に書いていきます。きっと私だけが楽しい。)



「俺たちって、本当の兄弟じゃないのかな」
「…は?」



同じ学園に属する高等部三年の兄キッドと一年の弟ロー。珍しくもない在り来たりの兄弟である二人。
そんな二人の日常は、ローの何でもない一言によって少しずつ、だが確実に崩れだす――。


一見恐がられそうな見た目とは正反対に、優しく人情に厚い兄のキッドが幼少の時分より大好きだったロー。
成長するにつれて、この気持ちが普通のそれではないと気付き始めるのにそう時間はかからなかった。
外見も中身も似ても似つかない自分たち、本当に兄弟かと訝しまれる度にどうして自分たちは兄弟なのだろうとついついマイナス思考が頭を過るほど。


―そんな折、たまたま見つけた自分の母子手帳。何気なく開いてみれば、そこには書いてあるはずの父親の名前がなくて…。


「本当の兄弟ではないかもしれない」


その事実に高鳴る心臓。その勢いのまま、突如打ち明けられたキッドはただ驚愕するあまりだった。



それから徐々に変化していく二人の環境。
どうやって今まで通り「弟」として接していこうか思い悩むキッドと裏腹に、ローのキッドに対しての「兄」以上の感情は隠しきれないところまできてしまっていた。その気持ちは、もしかしたら自分たちが兄弟ではないかもしれない、と思う度にどんどんと強まっていって…。


とうとうローは二人きりの部屋でキッドを誘惑してしまう。
抑えきれない思いに泣きそうに潤んだ瞳、朱に染まった滑らかな頬、甘い声で自分の名を呼ぶ目に入れても痛くないほど可愛い弟…。
でも本当は弟ではないかもしれない…そう考えた途端、キッドの胸を邪な考えが渦巻いていく。
それに呼応するように「俺のこと、いままでみたいに弟って思うならこの家から出て行く」なんて言われてしまって…?!


溺愛してしまうほど可愛い「弟」、「兄」を超えた愛しい存在―。果たして交差する二人の想いは…?
ちょっぴり切ない純愛ラブストーリー第一弾!





^P^
声優パロに引き続き。こんな兄弟パロが書きたい、な。


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