絵空事 | ナノ

「……キッド」
「あ?」
「落ち着いて聞けよ…さっきペンギンから連絡があってな」
「…何だよ?」
「トラファルガーが、その……事故したらしい」
「…は?…何だよそれ…冗談だろ?」
「いや、俺も今さっき聞いて…ペンギンがぼろぼろ泣いてたから、」
「ふざけんなよ!!事故死て…っ!トラファルガーがんな簡単にやられる訳ねェだろ…っ!」
「キッド、」
「どこだよ病院にいるんだろ?!なあキラーお前知ってんだろ!早く俺をトラファルガーんとこに、」
「キッド、落ち着け…な?病院は聞いたから俺が今から送るから。落ち着け」
「……っ」
「大丈夫だ。そう遠くないから今から行けばすぐに着く」
「……あぁ」





「あ、ユースタス屋、キラー屋。よっ」
「何だ、思ったより元気そうじゃないか」
「ああ?この俺が軽く吹っ飛ばされたぐらいで死ぬかっつの。まあ若干肋がいっちまったぐらいであとはピンピンしてる」
「そうか、よかった。ペンギンがあまりに深刻そうに話してくるもんだから」
「あいつは大袈裟なんだよ。逆に俺が宥めてやったぐらいだぞ」
「そいつは悪かったな。…うちのペンギンが」
「言うねぇ、キラー屋」
「ははは」
「………」
「……?」
「…ユースタス屋?さっきからどうしたんだ?何か変だぞ?」
「そうだぞ。キッド…?」
「トラファルガー…」
「な、なんだよ」


つかつかつか
ぎゅっ


「?ユースタス屋…?」


ぎゅうううう


「わ、馬鹿お前くるし、」
「…マジよかった」
「…ユ、スタ」
「本当お前がいなくなったら俺、どうしようかと…」
「……バーカ。俺がそんな簡単に死ぬか。ユースタス屋残してなんて、どこにも行かない」
「ロー……好きだ。愛してる」
「ん、俺も…んっ、ふ…」




「あれーキラー来てたのか。早いな」
「まぁな」
「?中入んないのか?」
「…帰るか」
「え?なに?ローは?」
「キッドがいるし水を差すのもあれだろう。帰るぞ」
「いいじゃんほら、キラーもローに見舞い、」


ガラガラ


「んっん、ぁ、ユ、スタ、屋ぁ…っ!」


ピシャッ


「よし、帰るか」
「違いない」
「……キラー」
「ん?」
「腰の手、吹っ飛ばすぞ。あのバカップルにあてられてんな帰ってもシないからな」
「………」




後日


「事故してとか紛らわしい言い方すんのやめろ。事故にあったと言え」
「? ああ」




のあのリアルな聞き間違いです。


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