ま、間に合わなかった…!
2011/07/08 08:31


どうも、鬼のように出された期末レポートに追われていた沫金です。パソコンとにらめっこし過ぎて疲れ目キツいぜ。来週は更なる怒涛のテスト週間!

まあ冒頭の挨拶(というか愚痴)はこのくらいにして。
昨日は七夕でしたね。空模様は思わしくなかったですけど;
それに因んで、七夕小説書いていたのですが…結局昨晩は力尽きて間に合わず…無念。なので今更ですがここに放置していこうと思います。

珍しくオズギルです。私の中のふたりは、主従以上恋人未満なイメージ。お互いの異常なまでの精神依存の上にいると勝手に思ってます。



以下小説↓



さらさらさら、と夜風にさらわれた髪の毛が靡いた。


「ギル?」

「…ああ、オズか」

「どうしたの、バルコニーなんか出ちゃって」


レインズワース邸、ギルバートに当てられた部屋をひょこっと覗いてみると、大きく開け放たれた窓の向こうに見慣れた後ろ姿が佇んでいた。


「何か見えるの?」


窓辺に近づきながらオズが尋ねると、ギルバートは彼を振り向かずバルコニーの手摺りの、更に向こう側を指差した。


「空…?ああ、星か」


示された方に視線を上げると、そこには星空が広がっていた。少し曇っているが沢山の星が瞬いている。窓をくぐり、ギルバートの隣に立った。髪の毛で殆ど隠れたその横顔が、どんな表情を浮かべているのかは伺えない。


「…昔」

「ん?」

「エイダ様とオレに、東方の国にあるお伽噺を聴かせてくれただろう?」

「ああ。丁度このくらいの時期の話だったよな」

「今日、なんだ」


だから、星を眺めていたんだ。ギルバートがぽつりと言葉を落としやっとオズに視線を向けた。その瞳が、余りにも悲しみを含んでいたためオズはドキリとした。今にも泣き出してしまいそうだ、と。


「なあ、オズ。どちらがしあわせなんだろうな」

「……」

「一年に一回だけ。でも、会える日にちが分かっている織り姫と彦星と、」


不意に触れたギルバートの指先が、縋るようにオズのそれに絡んだ。ギュッと、震える手が握られる。月色の瞳が揺れた。


「何時になるか分からない。本当に取り戻せるかも分からない、お前を…闇雲に待っていた、そしてまた、あえた、オレ と」


どちらがしあわせなんだろうな。もう一度、消え入りそうな声で同じ言葉を紡いだ。


「…しらないよ。そんなこと、俺にはわからない」

「……」

「わかるわけ、ないじゃん…」


でも、とオズは言葉を続けた。ギルバートの頬に触れ、零れ落ちた涙を拭う。またひとつ、ほろりとそれが流れた。


「こうやってまた、お前の涙を拭えるように待っててくれたことが 俺は、しあわせだよ」



七夕






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