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「また随分と暑い町ですね………」

「フエンはホウエン一の温泉街じゃからのう、えんとつやまの熱がモロに降りてきとるんじゃ。さて、主よ。急ですまなんだがわっちに5000円ほどくれんかのう」

いつの間にか人型になっていたお姉さん(名前を考える時間と余裕がなかった為保留)が解説とともに何故かお金を欲しがってきた。

「お金は構いませんが…、何か欲しいものでも?」

ふふふ、と怪しく笑うお姉さん。

「何、久方ぶりに未成年には買わせてくれんたいそう美味い水が欲しゅうなっただけよ」

ひらりと手を振りながら去ってゆく背中を見送りながら
(お酒か………!)
と全員の心が一致したと思った瞬間でした。

それはさておき。他のメンバーは特に行きたいところもないらしく、皆をボールに入れたまま薬局に向かってみることにした。
幸いにも迷うことなく薬局にたどり着いたところ、懐かしい顔と再会することに。

「あら、ユウキさん?」
声をかけるととても驚いた面持ちでこちらを振り返ってきた。

「なんで結鈴さんがここに居るの!?えっ、ダイゴさんは?」




「………ということがありまして。今は旅をしています」

ところ変わってフエンの喫茶店。

「なるほど。確かにずっと閉じこもってるわけにも行かないもんな…オレ、そんな簡単な事もわかってなかった。結鈴さんがダイゴさんに保護されてる間にハルカと二人でアイツらやっつけて、それでおしまいだと思ってた。ごめんなさい!」

しょんぼりと誰が見てもわかるくらいに落ち込むユウキさん。きっといっぱいいっぱいだっただろうに、それでも彼らは最善を尽くしてくれたのだ。

「いいえ、ユウキさんが謝るようなことはありませんよ。ハルカさんとユウキさんと、二人なりの最善の手を打ってくださったんです。感謝こそすれ憾むようなことがあるでしょうか。私にとっては初めて出逢ったのがあなた達で本当に良かったと思ってるんですよ」

「ずるいな。そんな風に諭されたらどうしようもないじゃん。…結鈴さん、旅に出て、つらいこととかないの?」

「特にはないですよ。何だかんだで旅の仲間もできたことですし」

本当に?と年相応の無邪気な瞳で顔を覗き込むユウキさんに笑顔で返す。

「そっか。じゃあ結鈴さん、ポケモン勝負しようよ!!」
その瞬間、私の笑顔はぴしりと音をたてて固まった。

 

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