13.止まりたくない
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きっと今の私の気持ちを一言で叫ぶならこうだ。ジーザス!
「まあ、あなたが昴だとして、何故貴方は人型をとっているのですか」
「知らん」
きっぱりと即答する昴(仮)に頭を抱えたくなったがなんとかこらえる。

「………そうですか。まあいいです。それよりここから出る方法を考えるべきですね」
「おう」
『確かに、パーティに飛行タイプいないもんねぇ』
ボールの中から皐月が同意する。
「では手分けして手がかりを探しましょうか」
空間としてはあの有名なアニメ映画にでてくる腐海の地下空間に似ているが光が射し込まない分薄暗く視界も悪い。
出口となりそうなものは落ちてきたあの穴くらいなものである。
ほかには何かないだろうか…見落としてるものとか。
『…結鈴ちゃん。ちょっといいかしら』
うんうん唸っているところに声をかけたのは霊翠。
「どうかしました?」
『すっごく悩んでるところ申し訳ないんだけどさ…脱出方法、あるわよ?』
「テレポートか…」
お前使えたんだな、という昴。
『いやー、悩んでる結鈴ちゃんもかわいくってつい☆』
てへっ、とポーズをとる霊翠は確かに可愛いのだけれど、落ちた衝撃からか朋が気絶しているのでできればもう少し早く言って欲しかったと思わないでもない。
「とにかく脱出できるんですね。ならとっとと出ましょう」
『まかせて!んじゃ、いっきまーす!』

一瞬強く引っ張られるような、何とも言えない感覚の後、目を開けるとさっきの砂漠地帯に戻っていた。
「おお、霊翠ありがとうございます」
『いえいえー…っと結鈴ちゃん!』
危ない!と叫びながら私を押しのけようと飛んでくる霊翠が強い光に包まれた。



 

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