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ダイゴさんいわく
「さて、話は聞かせて貰った。俄に信じがたい話ではあるけれど…神話や昔話にはポケモンと対話したという逸話も多いからね。一概に君のことを否定はできない。」

という事らしい。
普通に考えて(こちらの一般常識が私の一般常識とずれていなければ)当たり前の判断だろう、と思う。

「それから、僕らは君に質問しなければいけない事がある。一体君は何者で、どうして海で溺れていたのか…聞かせてくれるね」

その言葉に、黙秘権はまるで籠められていなかった。

「そうですね。幾つかは私にも事情がわからない出来事ではあるのですが、なるだけ正確にお話致しましょう…」

学校から祖母の家に帰る途中で海に落ちたこと、そのまま揺蕩っていたらミズゴロウくんに引き揚げられたこと…まるで夢のような不可思議な話ではあったけれど。

「そして、私のいた所にはポケモンはいませんでした」

ここは恐らくゲームの世界、だなんて――なんて、言えるわけがない。

「…いない、というのはどういうことだい?」

信じられない話が錯綜としている所為かダイゴさん達の目は白黒している。当たり前にある存在がないと言われたのだからきっと無理もない。

「そうですね…存在がまるでない、というのは語弊がありましょう。ただ私のいた所では、お噺の中の存在であったという事です」

 

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