(誘拐犯×15歳年下。どっちもヤンデレ気味。ショタと性描写を含みます)
(キッドさんがナチュラルに犯罪で変質者です本当にごめんなさい)






大きくなったら迎えに行くよ。
ゆびきりげんまん。
うそついたら、
絶対ゆるさないから。





小さな子供の手はふわふわのマシュマロみたいだった。
大粒の宝石を嵌めた瞳も甘そうな色をしていて、肌理細かい頬をなでて覗き込むと息苦しいような衝動に胸が詰まる。かわいい。そんな言葉じゃ言い表せなくて、でもその言葉が全てだという気がした。
かわいい、かわいい。かわいくてしかたない。

「なぁ、ロー。ちゅってしていい?」

「また?」

「だめ?」

「だってユースタス屋ばっかり。こんどは俺がしてあげる」

そう言って背伸びをするけど、俺の背には到底届かない。
小さな身体を抱き上げて頬ずりすると鈴を転がすような声でくすぐったがって、それからやわらかい唇がそっと触れてきた。もっと、とねだると、「しょうがないなあ」と偉そうな許しが下りて何度でもしてくれるから、ローとのキスにはいつも終わりがない。
正確には、ローが我慢できなくなるまで。


電気のついていない室内は、窓からの青い月明かりが唯一の光源だった。
繰り返される口付けを受けながら、あたたかい肌をできるだけ優しくなぞっていく。てのひら全体で撫で上げて、指先は触れるか触れないかの瀬戸際で。
ローの身体は軽くて小さくて、高い体温とすべすべの皮膚が上等のビロードのようだ。
触れていただけの小さな唇を割って舌先を含ませると、少し苦しそうにしながらも一生懸命吸い付いてくるのがかわいい。澄んでいた瞳が蜂蜜みたいにとろけていって、口よりも雄弁なその色に笑って薄い胸元を揉みしだいた。ぎゅっと指の間で肉を挟んで、無理やり尖らせた乳首を爪で引っ掻いてやる。鼻に抜ける吐息を漏らしたローが食んでいた舌を放した。

「ユ、スタス屋…」

「ん?」

「こっちも」

「こっちも、何?」

「…なめて」

「胸だけでいいのか?」

「…やだ、もっと下…も、」

幼くても羞恥は理解しているのだろう。小さな声でやっとそれだけ言うと、赤く染まった顔を見せまいとするように頭を抱きかかえられた。自然俺の目の前にローの胸が晒される形になり、少し腫れ始めた突起を望みどおり舐めて転がして噛んでやる。てのひらからトクトクと伝わる心音が早い。

「ロー、服ちゃんと持ってろ」

「……ん」

「恥ずかしい?」

「…うん」

「教えただろ?いっぱい恥ずかしい思いしたら、その分いっぱい気持ちよくしてやるって。頑張れるよな?」

「うん、できる…」

いいこだ。そう褒めると素直に俺の髪を放し、たくし上げた服の裾を小さな手が掴む。無駄な筋肉も脂肪もついていない身体が晒され、それを見るといつも不思議な気分になった。いうなれば面白みのない、未発達の子供の身体。まさか欲情する日が来るなんて思ってもみなかった。
乳首をやわく噛まれながら脇腹を撫でられるのにローは弱い。向かい合って、高さを合わせるために膝立ちになった軽い身体から少しずつ力が抜けていくのが分かる。ちゅ、とわざと音を立てて吸い付くと腰がもじもじと揺れ、内腿がすり合わされた。
そろそろ泣くかな、と思うのと、ローが涙声で俺を呼ぶのは同時だった。

「頑張るって言ったのに、もう我慢できねえの」

「…ぅ、…ごめ、なさ…っ」

「泣くなって、叱ったりしねえから。もっと下も触って欲しいんだよな」

脱がせてやるのも好きだけど、恥ずかしがりながらもローが自分で脱ぐのを眺めるのも好きだ。あっち向いてて、といつもお願いされたけど、笑って拒否していたらそのうち諦めて何も言わなくなった。
お気に入りのパーカーを脱いで、ショートパンツを下着ごと脚から引き抜き、羞恥と期待に潤んだ目がこっちを見る。

「ユースタス屋…」

「いいこ、おいで」

幼すぎる性器はそれでも少し腫れて、ゆるく持ち上がっていた。
七歳になったばかりの、まだ精通も迎えていないローに性的な快楽を教え込んだのは俺自身だ。遊びの延長みたいに、くすぐったがるばかりのローに根気よく触れ、少しずつ快感の拾い方を覚えさせた。射精こそ無いものの初めて俺の腕の中で、おかしい、変になる、と泣きながら身体を震わせてイったときは頭から齧ってしまいたいくらいいとおしくなった。
裸になったまま所在無さげにしているローをベッドに転がす。臍のくぼみや毛も生えていない下腹にキスして、中途半端に勃っているものを口に含んだ。同時に片手で乳首をきつく摘んでやれば、ローが息を詰めて耐えられないというように髪を振り乱す。

「ふっ、や、ぁあっ…まって、ユ、スタス、屋ぁ…!」

「なに…?舐めて欲しいんだろ」

「だっ…て、だめ、むねさわっちゃ…ひっかくのだめぇ…!」

「…ん…ロー、怖くないから暴れんな。あんまり動いたらしゃぶってやれねえぞ?」

「や、だぁ…」

硬直する両脚を抱え上げて肩に乗せると太腿で頭を挟み込まれた。動きづらいけど、あったかくて柔らかくて悪くない。浮いた腰を支えてやりながら、また少し大きくなって震えてる性器を口の中で転がした。舌を伸ばして小さい袋も擦ってやる。口を開けた隙間から溜まった唾液が零れて、性器ごと吸い上げるとじゅるじゅると下品にでかい水音がした。俺の顔を挟んでるローの脚にぎゅっと力が篭る。

「気持ちいい?」

「ん…うん、きもちい…っ」

「はっ…ローはかわいいな、丸ごと食っちまいたい」

「…っ、やぁ…たべたらダメ…」

「分かってる、痛いことなんかしねえよ」

太腿の裏を何度も優しく撫でてやるとローの呼吸の間隔がどんどん狭まっていく。乳首は片方だけ弄りすぎて赤く腫れていた。きっと後でぐずるだろう。ジンジンする、とべそをかくローをずっと抱きしめて甘やかしてやるのは、それはそれでひとつの楽しみだけど。
ユースタス屋ぁ、頭の上でローがすすり泣く。その声が下腹部を直撃して、今ローの顔を見たら触りもしないでイけちまうんじゃないかと思った。
手探りでジーンズの前を寛げ、がちがちに張り詰めて痛みさえ覚える熱を引っ張り出した。このままローを口でイかせてやって、俺は別に自分の手でもいいかと思ったけど、ごそごそやってる動きに気付いたローが髪を引っ張ってきた。

「ユースタス屋…このまえみたいに、する?」

「そうだな、してえけど…ローはまだ我慢できそうか?」

「も…ちょっとなら、できる」

肩から脚を下ろして起き上がったローがしがみ付いてくる。押してくる力に逆らわず後ろ手を付いて座ると、膝に跨って俺を見上げてきた。

「ローが上?」

「うん…俺がしてあげる」

ローの手が俺の中心に触れる。細い子供の指とグロテスクな大人の性器がどうしようもなくアンバランスだった。高揚と背徳感のど真ん中を突き抜くこの衝動を、幼いローはきっと理解できていないだろう。
こくんと唾液を飲み込む音が聞こえ、ローがおずおずと身体を寄せてきた。赤黒い肉に幼い性器が触れ、小さな手が胸元にしがみ付く。
あつい。独り言のような呟きをこぼし、腰が動き始める。抱き寄せてやれば互いの腹の間で熱が擦れた。

「…ん、上手だな」

「…ッ、でも…これ、いっぱいできな、…だめ、も…っ…!」

「もうイきそ…?我慢苦手だもんな」

「できる、もん…っ」

「うん、でもちょっとそれ休んで、一回起きて」

「…これ、きもちよくない…?」

「すっげえいいけど、ローがきついだろ。なぁ、自分でここ弄れるよな?」

「…うん」

「じゃあここ座って自分でしてみろ。動かないでな」

「ユ…スタス屋は…?」

「ローの身体借りていい?」

きょとんとしているローの返事を待たず、枕をクッションにして壁際にもたれさせた。
上半身だけ脱ぎ捨て、邪魔なジーンズと下着を少しずらす。じっとしててな、ともう一度念を押して膝立ちになると、先走りでどろどろの性器をローの胸元に擦り付けた。
ぬめる先端で小さな突起を押し潰し、細い鎖骨から早鐘を打ってる心臓の辺りまで大きく滑らせる。女のように柔らかいわけじゃないけど、下腹部にローの吐息が触れるたびゾクゾクしたものが背筋を這い上がった。先端の割れ目に乳首が引っかかるたびに息が乱れる。ぐちゅ、と粘着質な音に混じって荒い呼吸と小さな喘ぎが空気を湿らせていく。
ふいにローが俺の腹に顔を埋めた。
急に動かれて勢い余った熱が首筋まで滑り上がり、小さな両手でそれを捕らえてふわふわの頬が寄せられる。とっさに制止しようとして、だけど息が苦しくて声が出なかった。
だめだ。今呼ばれたら、もう、

「ゆ、すたす…屋…」

視界が白く弾けた。


数秒程度でしかないはずの空白がひどく長かった。
放心していた俺が我に返ったのは、こほこほと咳き込む音が聞こえてからだった。

「悪い、ロー…!大丈夫か?」

「にが、い…」

髪にも顔にもべったり精液がこびりついていて慌てて掌でぬぐってやる。ぬるぬるする白濁が伸びただけであまり効果はなかったけど。
口にも入ってしまったようで、唇を割って指を入れると唾液と白いのが混じったものが絡んだ。
ごめんな。もう一度謝るとローがぎゅうぎゅう抱きついてくる。

「…ユースタス屋…」

「ごめん、びっくりしたな」

「ユ、スタス、屋…」

「ロー?」

「…さっき…っ、自分でちゃんと、できなかった…」

よほど恥ずかしいんだろう。言い終わると同時に背中に回された手が握りこまれ、だけどわずかに食い込む爪の痛みさえ甘ったるい。
ザーメンまみれの手でローの下肢を探り、苦手な我慢ばかり強いてきたそこを追い上げてやった。
「気持ちいい?」今日何度目かの問いに相変わらず一生懸命頷くのがかわいくて、つむじに何度もキスを落とす。

「…ふっ、ぁ…あの、ね」

「なんだ?」

「…自分でしても…あんまり、きもちよく、ない…」

「俺じゃなきゃだめ?」

「うん…っ、ゆ、すたす屋が、いい…ッ…」

何だってこんなにかわいいいきものがいるんだろうか。力いっぱい抱きしめることも、劣情のままに犯すこともできないのに。そんなことしたらあっという間に壊れるに決まってるのに。苛々するくらい焦れったくて、なのに大事に大事に甘やかしてやりたい。
指先でぐにぐに揉んでやると細い首筋にさぁっと鳥肌が立った。
高い泣き声と細かく痙攣する身体を腕の中に閉じ込めて、出るはずもない精液を未練がましく搾り出そうとしていた。一滴残らず飲み干してやれたらいいのに。
涙でぐちゃぐちゃの真っ赤な顔でローが泣く。
ユースタス屋。
聞きなれた自分の名前が宝物みたいに響いて、きらきら光る欠片を受け取ろうと小さな唇を塞いだ。




「ゆーすたす屋…」、洗いたての服に着替えさせられて眠たそうにふにゃふにゃ俺を呼んでるローは、本当にたったひとつ、俺の名前しか知らない。対して俺はもう少し、ローの名前と年と住んでた所くらいは知ってる。けれどただそれだけの間柄だった。
大学からバイト先の途中にあるきれいな白い家。手入れの行き届いた庭先で遊んでいたローに、俺が一目惚れしただけだ。
世界がひっくり返ったかと思った。
恋なんて生やさしいものじゃない、丸ごと全部欲しくてたまらなかった。こんな小さな子供に常識もモラルも理性も全部転覆させられた。
暴れまわる心臓をなだめながら少しだけ会話をして、機嫌良く手を振るローに見送られてその日はどうにか自宅に帰ったけれどやっぱり駄目だった。どうしても、どうしようもなく駄目だった。
その二日後、ローは突然俺に攫われて、それからずっと一緒にいる。
俺なんて通りすがりにも等しいだろうに何故かとても懐いてくれて、生まれて初めて神様なんてものに感謝したくなった。こいつが笑ってくれるなら何だってしてやろうと思った。
寝ても覚めても隣にいて、いつも抱っこをせがまれて、一緒に飯を食って一緒に遊んで風呂に入って、ローを抱きしめて眠りにつく。


夢のような日々だった。
なのに夢が覚めるように唐突に終わってしまった。


昼寝からなかなか起きなかったローを置いて買い物なんかに出たのが間違いだった。
『すぐかえるから、おやつをたべてまってなさい』そうメモを残したけど、ローは読まずに外に出てしまったらしい。今までもローを留守番させたことはあったが、いつもちゃんと声をかけてからだったから、いきなり俺がいなくてびっくりしたのかもしれない。
多分そのまま迷子になってしまって、交番かどこかに保護されたんだろう。
半狂乱で一晩中探し回ってもどうしても見つけられず、憔悴しきって一旦家に戻った俺の目に飛び込んだのは点けっぱなしのテレビに映る大事な大事なローだった。
『行方不明だった』『二ヶ月前』『トラファルガー・ロー』『保護され』『昨晩』、ソファーにへたりこんで、流れるニュースもぶつ切りの単語としてしか認識できずに、あぁ二ヶ月も経っていたのかとそんなことをぼんやり思った。
ローと出会ってから二ヶ月。もう二ヶ月なのか、まだたったの二ヶ月なのか。
四肢の感覚も遠のくような深い絶望感で何も考えられない。
ただひとつ理解していたのは、もうあのちっぽけな身体を抱き上げることも甘い匂いのする髪を撫でてやることもないのだと、それだけだった。




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