「退はサンタさんに何お願いするの?」
「サ、サンタさん?プププ!何言っちゃってんの幸子ちゃん、サンタなんて…」
「勉強も頑張ったし家の手伝いもちゃんとしたし、きっと私のほしいものくれるはずだよね」


幸子は、まだサンタクロースを信じていた。


「(部長ォオオ!!幸子ちゃん高二にもなってサンタクロース信じちゃってるんですけど!?)」
「(山崎!本当の事しゃべったらテメエ殺すぞ!)」
「(幸子ちゃん、頭の中までかわいいな!)」


これはみんなに愛された一人の少女と、その少女の夢を叶えるために奮闘する男達の物語である。


「幸子ちゃんはクリスマスに何がほしい?お父さんがサンタさんに頼んでおいてあげる」
「サンタさんはそんな事しなくても私のほしいもの分かるんだよ。魔法使って」
「マジですか!!?」


クリスマスイブまであと三日。
父、近藤勲は愛娘幸子のクリスマスプレゼントに何をあげたらいいのか分からないままでいた。サンタさんだって準備が必要だ。幸子に喜んでもらうためには、幸子が一番ほしいものをプレゼントしてあげたい。


「はーい注目〜この中で幸子の欲しいもの知ってる奴がいたら銀さんにこっそり教えにくる事〜」
「ああーもうすぐクリスマスですもんね」
「ちなみに教えてくれた奴の次の現国のテストは満点になります」
「ちょっとォオオ!銀さんんん!?」
「銀ちゃん職権乱用アル」
「モノで幸子ちゃんの気を引こうなんて、最低な男ね」


男達は必死だった。普段は仲の悪い兄弟達も、幸子のために今だけは一致団結した。


「来島ァ、お前は幸子の欲しいもの分かるか?」
「また子は晋助様の愛が欲しいッス!」
「ところで晋助、クリスマスはもちろん鬼兵隊でパーティするのでござろう?」
「六時には帰るぜ、家でパーティするから」


兄弟達の心はただ一つ。俺達が、幸子の夢を叶えてあげたい。
しかしクリスマスイブ前日になっても幸子のほしいものは分からないままだった。


「結局何のプレゼントも用意できてねえじゃないですかィ」
「うるせェエエ!テメエも少しは協力しやがれ!」
「幸子のほしいものなら、ベッドの横の靴下にサンタへの手紙が入ってやしたぜ」
「それを早く言えコノヤロー!」


そしてクリスマスイブ。
ぐっすり眠る幸子の部屋にはサンタクロース衣装を身に纏った馬鹿な男が五人。


「ま、間に合った…」
「こんなものがほしかったのか、幸子」
「ククッ、かわいい奴め」
「ふああ〜俺はもう寝まさァ、幸子と一緒に」
「自分の部屋で寝ろ」


メリークリスマス!
(聖なる夜の任務完了)



「見て見て、銀兄!サンタさんからプレゼント!」
「よかったな、幸子」
「あのね、実は私昨日の夜ちょっとだけサンタさん見たんだよ」
「(ギクッ!)」
「サンタさんって五人もいるんだね〜知らなかった!」
「(セーフ!)」





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メリークリスマス!
なんかはしゃぎすぎた^^



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