「晋助様に、何か欲しい物とかして欲しい事はないかって聞いたんスよ」
「うん」
「そしたら『俺ァ、幸子の最高の笑顔が見てぇだけだぜ』…って」
「は!?」
「幸子!早く笑うッス!」


さあさあ!とまた子は私に携帯のカメラを向けてくる。私はそれを丁重にお断りした。
同じクラスの来島また子は、晋兄に心酔していると言う。晋兄を様付けにしている時点でどうかと思うが、晋兄の話をするまた子が余りに幸せそうだから何も突っ込めない。私にとってはただのお兄ちゃんでしかない晋兄といえば、昔何で左目に眼帯してるのか尋ねたら「カッコイイからだ」と真剣に答えた変態だ。どこがそんなに良いんだか教えてほしい。(そう言ったら延々と三時間以上晋兄の素晴らしさについて語られた事がある)


「何度も言うけど、晋兄なんてただの馬鹿だよ?」
「晋助様は馬鹿じゃないッス!テストの順位いつも十番内だって言ってたッスよ!」
「出席足りなくて留年してる時点で馬鹿だよ」
「幸子貴様ァア!!」


「いくら晋助様の妹だからって許さないッスよ!」ガッと肩を掴まれてぐわんぐわん揺さ振られる。また子の顔は必死だった。
一生懸命なまた子が可愛いくて、その柔らかい髪を撫でると、気安く触るなと怒られてしまった。


「ムカつくー!の幸子そういうとこ大っ嫌いッス!」
「私はまた子好きだよ?」
「〜〜っ!」


照れてる事を必死に隠そうとするまた子の顔は真っ赤だった。可愛いねって笑うと「アンタには負けるッス」と諦めたように呟いて、ふわふわと私の頭を撫でた。
やっぱりまた子は可愛い。私はまた子が大好きだから、本当は少しだけ晋兄が羨ましいんだ。

それから二人でプリクラを撮って、一緒にクレープを食べた。
家に帰ったら晋兄に自慢しようと思う。



***



「見て見て晋兄〜放課後また子とプリクラ撮ったの」
「(幸子最高の笑顔!)(来島グッジョブ!)このプリクラくれ」
「ヤだ」
「(ガーン)」



猪突猛進
(来島ァプリクラよこせ)(晋助様の頼みでもこればかりは譲れないッス)

end





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また子好き過ぎた結果^^


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