「銀ちゃん、銀ちゃん」
「あ?」
「何か欲しいものある?」
「欲しいもの…?」
「うん、そう」


俺が欲しいのは勿論お前だけ。真剣な俺の答えは、お前の溜息によって完全に流された。夢がない、と俺を叱るお前は間違っている。俺はいつだって夢見る少年でありたいと思ってるのだ。だてに毎週ジャンプは読んでいない。それなのにお前は「何か他にないの!」と俺を急かす。
じゃあ何て答えればいいんだよ。死ぬほどパフェが食いたいとか、生クリームとあんこに埋もれたいとか、そう言うのも駄目なわけ?お前にそんな冷めた目で見られると銀さん傷付いちゃうんだけど。

なあ、なまえ。

俺はお前さえ笑っていてくれればそれでいいんだ。あの日、全てを失ったときも、お前は俺の傍にいてくれた。それで十分なんだ。
もし何かくれると言うのなら、約束してくれ。一生離れないって約束。何年、何十年先も、こうやってふざけ合いながら、お前と歳を取っていきたいんだ。


「だから、」



for me
(お前の全てを俺に)

end







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2009年坂田生誕記念


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