悪魔との


ある日を境にして国中の男がいつしか次々と行方をくらませた。


私の友人が行方不明になる前に言っていた言葉に、私は一つの可能性に思い立いました。

そして十数年ぶりに彼を見た時、それは確信に変わった…



「ねぇ、聞いてるかい?」


「ああ、すみません、セイイチ君。

少し考え事をしていまして…」


「ふーん…まぁ良いけど。」



そう言って伸びをする黒いマントを羽織った彼は、数ヶ月前に私の前へ現れた悪魔。

私は彼に、潤斗君の傍に居たいと願い契約した。


彼に誘われる事も、会う資格すらも無い私は、そうでもしなくては彼の傍に行き彼を救う事は出来ない…



「じゃあ俺はそろそろ行くよ。



「はい、おやすみなさい」


「…忘れてないとは思うけど、代価の事、覚悟しといてね」


「…はい、その時は何でも差し上げるつもりです」



私がそう言うと、悪魔は薄く笑って闇に消えて行った。


悪魔であるセイイチ君がだした代価は、私の『1番大切なモノ』。


潤斗君… 貴方を救う為ならば、この命、惜しくは無い…



――幼い頃に大切な者を見捨てた男は、色欲に溺れた男を救い出す為狂気の中を行く――




闇に染まるリビドーの色

とどまらぬ無限の情欲

幻想は全てを呑み込み

僕はもう人ではなくなる



神に逆らい堕落する

これが【僕/俺】の望んでた狂気のnight




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