悪魔との
ある日を境にして国中の男がいつしか次々と行方をくらませた。
私の友人が行方不明になる前に言っていた言葉に、私は一つの可能性に思い立いました。
そして十数年ぶりに彼を見た時、それは確信に変わった…
「ねぇ、聞いてるかい?」
「ああ、すみません、セイイチ君。
少し考え事をしていまして…」
「ふーん…まぁ良いけど。」
そう言って伸びをする黒いマントを羽織った彼は、数ヶ月前に私の前へ現れた悪魔。
私は彼に、潤斗君の傍に居たいと願い契約した。
彼に誘われる事も、会う資格すらも無い私は、そうでもしなくては彼の傍に行き彼を救う事は出来ない…
「じゃあ俺はそろそろ行くよ。
」
「はい、おやすみなさい」
「…忘れてないとは思うけど、代価の事、覚悟しといてね」
「…はい、その時は何でも差し上げるつもりです」
私がそう言うと、悪魔は薄く笑って闇に消えて行った。
悪魔であるセイイチ君がだした代価は、私の『1番大切なモノ』。
潤斗君… 貴方を救う為ならば、この命、惜しくは無い…
――幼い頃に大切な者を見捨てた男は、色欲に溺れた男を救い出す為狂気の中を行く――闇に染まるリビドーの色
とどまらぬ無限の情欲
幻想は全てを呑み込み
僕はもう人ではなくなる神に逆らい堕落する
これが【僕/俺】の望んでた狂気のnight[ 38/42 ][*prev] [next#]
[mokuji]