禁断の
「ここかよぃ?」
「そうじゃよ?」
ふーん、と屋敷の中を見渡す赤毛はブンタとかいう名前で、今日から俺の新しい相手になる。
「でもこれで、お前を俺のもんに出来る可能性が出て来たってわけだ」
「ふ、頑張りんしゃい」
「言われなくても」
挑戦的な笑みを浮かべて抱きしてくる男は、これで何人目か…
先日現れたくせ毛の悪魔(ワカメって言ったら怒った)との禁断の契約で手に入れたこの力。
俺を見た全ての者は魅了され、堕ちていく…
孤独だった俺には、願ってもない力。
例え代価が何であろうと、空っぽの心を、これで満たすと決めた…
――人を魅了する力を手に入れた男は、一人住む屋敷に気に入った者を次々と連れ込み、望んだものを作り上げた――毒を秘めたリビドーの味
突き刺された刃の快楽
血と汗は混じり合い やがて
紫の滴へと変わる服を脱ぎ捨て抱き合えば
現実へはもう二度と戻れない[ 37/42 ][*prev] [next#]
[mokuji]