禁断の


「ここかよぃ?」


「そうじゃよ?」



ふーん、と屋敷の中を見渡す赤毛はブンタとかいう名前で、今日から俺の新しい相手になる。



「でもこれで、お前を俺のもんに出来る可能性が出て来たってわけだ」


「ふ、頑張りんしゃい」


「言われなくても」



挑戦的な笑みを浮かべて抱きしてくる男は、これで何人目か…


先日現れたくせ毛の悪魔(ワカメって言ったら怒った)との禁断の契約で手に入れたこの力。


俺を見た全ての者は魅了され、堕ちていく…

孤独だった俺には、願ってもない力。


例え代価が何であろうと、空っぽの心を、これで満たすと決めた…



――人を魅了する力を手に入れた男は、一人住む屋敷に気に入った者を次々と連れ込み、望んだものを作り上げた――




毒を秘めたリビドーの味

突き刺された刃の快楽

血と汗は混じり合い やがて

紫の滴へと変わる




服を脱ぎ捨て抱き合えば

現実へはもう二度と戻れない




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