我らが偉大なコンチータ
「…何だって?」
「ですから、そろそろお暇を貰えませんかと」
昼食後、俺の元に今年に入って15人目のお抱えコックと最近雇った見習いがやって来た。
まぁアイツは大分もった方だよな、3ヶ月だっけ?あのワカメ頭なんてつい1週間前に雇ったばっかだし。
「まったく使えない奴らばかりだな」
「っ、元はといえば貴様の悪食のせいだろう!知っているのだぞ、お前が人間まで喰らってい…」
煩いけど美味そうだなー、なんて思って首を食いちぎれば、静かになった。
でも今度は、その横でこのコックの名前だったかを泣き叫ぶ見習いが煩い。
「潤斗」
ベル代わりにしてる器を鳴らせば、扉が開いて潤斗が現れる。
「コイツの教育係お前だろ?しっかり指導しとけよ」
「それはすまんかったのぅ」
泣き叫ぶ見習いを見てああ、と理解して寄って行く。
「潤斗、ついでにそこのコックの調理も頼む。
やっぱり老け顔なだけあるなー、肉硬かったから煮た方がいい。」
「…了解じゃ」
見習いの方を見れば、こっちを睨んでる。
そういえば結構コックとか潤斗に懐いてたもんな。
「潤斗先輩逃げましょう?!
あんな狂った女に何の義理があってこんな事続けて「黙れ」
潤斗はその一言だけ言って、シルバーで見習いの喉を切り裂いた。
あ、それ俺がケーキ食ってたフォーク
「な…で……」
崩れ落ちて息が漏れてヒューヒュー鳴っててもなお潤斗に問い掛ける見習いに近付いて、顔を覗き込んで告げてやる。
「1番最初に俺に悪食を出してきたの、潤斗なんだぜ?」
だから、潤斗も狂ってるんだよ
ニィッと笑えば、顔がみるみる絶望に染まって行き、暫くすれば息絶えた。
「あ、この見習いさ、うちで1番若かったし生でいきたいな。
後、お前が前作ってくれたビーフストロガノフ食いたい」
「じゃあ二つ共早う血抜きせんと…
血、飲むじゃろ?」
「おうっ♪」
二つを軽々と持ち上げ、潤斗に着いて保管庫に行く。
「またお前が作るよな?
コイツ死んだから、厨房回んなくなったし。」
コイツ、って血抜き中のコックを蹴れば、蹴っちゃダメと足を制しつつも仕方ないなと笑う
「次のコックが見付からん限りはの」
「他のどの仕事より、俺の飯を優先しろよ?」
「はいはいι」
敬い称えよ、我らが偉大なコンチータを
俺を裏切る奴には、報いを受けていただきましょう(にしても、今日は豪華になるな)
(え、今日で食べ切るん?)
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[mokuji]