柳 2011


「のぅ、柳。」


「ん?どうした?仁王」



昼放課ももう終わるという頃、皆で集まり弁当を食べた後教室へ戻ろうとした時、仁王に呼び止められた。


俺と一緒に居た精市が仁王と二、三口話して席を外したのが気になったが、まぁ今は仁王だ。


キョロキョロ見回した後、よしっとこちらを向く。

今日の日付と仁王が後ろ手に隠している物を照らし合わせると、さしずめ仁王の用件は…



「柳、「『誕生日おめでとう』とお前は言う」


「…………」



ノートを開きそう言えば、ムスッとする仁王。


相変わらずわかりやすいな。



「俺が言おうと思ったんに…」


「フッ、すまないな。」



少し睨んで来たが、撫でていると少しずつ機嫌を直していく。


可愛くもあるが、段々と微笑ましくなってくるな…



「あ、そじゃ。ほら、プレゼント。」



ニッコリ笑って渡されたプレゼントを受け取る。



「ありがとう。開けても良いか?」


「おん!」



包装を取り、箱を開ければ、出て来たのは少し小洒落た小筆。



「これは…」


「あ、と…気に入らん…かった?」


「いや、そうではない。」



俺が気になったのは、何故仁王が筆をチョイスしたのかという事…



「えっとな、幸村に相談した時に最近柳が書道やり始めたって聞いたんよ。

そんで、昔貰ったのがあったから、柳にどうかなー?って…」


「…成る程な。」



別れ際に幸村と話してたのはコレの事だったのか…



「ありがとう、仁王」


「プリッ♪」



撫でれば、へにゃっとした笑顔を返される。

幸村達や俺自身の為にも、仁王にはいつまでもこのままで居て欲しいものだ…





HAPPY BIRATHDAY! YANAGI!

「(それにしても、コレはどちらかと言えば弦一郎に似合いそうだが…)」
「(真田に渡せんかったやつをそのまんま柳に渡したのがバレんと良いな…)」







これ前日から考えてたのになぁ…

真田の誕生日は諦めた。仁王は参謀tって呼んでたの忘れてた。
…やっぱパソコンにはなかなか慣れないな。

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