存在しないHAPPY BIRTHDAY



「潤斗君、問題です。ターラン♪」


「………どしたの?ι」





これ、去年ぐらいの頃か?


懐かしいな。



黙れ
さぁ、今日は誰の誕生日でしょうか」


「(Σ黙っ…?!)
え… ……………あ、…とぉ……」


「出ないなら無理すんな」


「ゴメン…」




ああ、いっつもだもんな。

潤斗が答えを出せないのは…


毎年同じ問題のはずなんだが…ι



「たくっ、今日は…―――」



そうだ。

今日だ…


今日はaピンポーン


「………………」



誰だ。

珍しく若干シリアスな俺の夢を遮ったの…









とある日曜の朝…(って言っても9時だが)

都内のマンションの一角にある俺の部屋のチャイムが鳴った…


普段早起きな俺でも、珍しく部活の無い日曜くらいは昼まで心置きなく寝たい。

(ってか、夢の続きだった)


これで尋ねて来たのが隣のうざったい関西弁、もしくはテニス部関連の奴だったら容赦無く玄関のドアを閉めるぞ。



「邑ちゃーん、あっそびぃまsyゴンッ



……テニス部関連だったが、まぁ潤斗だったから開けた。

容赦無く、当たる様に。



「何の用だコノヤロー。」


「〜〜〜〜〜っ!!」



きっと直撃したであろう額を摩りながらうずくまる潤斗を、とりあえず家に引きずり入れる。


隣のクソうざったい関西弁が出て来たらそれこそ面倒臭い上、潤斗に被害が出る。



「で、何の用だ?」



俺はソファに座り、潤斗は俺の目の前に正座させる。


俺の睡眠を奪ったんだからな。これくらいは当たり前だ。



「暇」


「だから?」


「遊びに来た」


「ちょっと殴って良いか?」



何っだそれ。俺はそのために起こされたのか?!



「暇ならネットサーフィンでもしてろよ…」



追い出して良いよな?コイツ。



「あ、前に邑が見たがってた映画持って来た。あと、それのノベライズ版も」


「たくっ、今度からは来る前にちゃんと連絡するんだぞ?」



………仕方ないんだ。何処のレンタルショップ行っても無かったから…!





---------------





「あー、ヤベー… これ映画館で3Dで見たかった…」


「俺は赤也達と見たけどね」


「死ねお前。何で俺誘わなかった」


「プリッ」


「逃げんな」



と、もう昼か…

何だかんだで朝飯食い損ねたし、ちょっと早いけど昼飯にするか…



「俺もう昼にしようと思うけど、お前どうする?」



昨日買い物に行ったばっかりだから、一応2人分の材料はあるが…



「んー… 何か作るなら手伝うよ」


「じゃ、オムライスな」


「んー」



そう言ってのそのそと立ち上がって、冷蔵庫から材料を出して細かく切っていく…


俺はというと、潤斗が玉ねぎを切りだしたから、フライパンを温めてから卵を割ったボールを持ってリビングへ

だって、目に染みるじゃん。

「邑゙ー、たまごぉー ズビッ」



うわっ、思ったよりも涙声…

良かったー、逃げといて。



「ほら、交代。」



潤斗にといた卵を渡して、フライパンを交代する。


元々、焼き加減とかは潤斗の方が上手いからな。



「トロトロのフワフワだからなー」


「え、や「面倒臭いからヤダとか無しな」……頑張る」



ん、良い返事だ。




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