革命の終幕
俺は精市のふりをして王座に座る。
「王が居たぞ!!」
「捕られろ!!」
良かった、バレてないみたいだ。
まあ、この程度の奴にバレてるようじゃ詐欺師の名が廃るけど。
「この無礼者!」
精市はもう城を出ただろうか…?
せめて、精市を逃げるだけの時間を…
ザクッ「!」
足が熱い… ああ、血も出てる…
「お前は、何故彼の方を選んだ」
ああ、参謀の仕業か…
おかげで抵抗もままならなくなった
「次は自分ん所の国民からでも探しんしゃい。灯台もと暗しとはよく…」
その続きは言わせて貰えなかった。
さすがに、峰で頭を殴るのはあかんよ。
俺が捕らえられた次の日、俺の死刑が執行される。
執行するのは比呂士。
他のよぉ知らん奴にされるよりは断然、比呂士の方が良い。
「色々すまんかった、比呂士。それと…―――」
俺が街に行く度に比呂士にくっついてたのも、革命をこういう終わり方にしたのも…
それと、最後に…
これを言って比呂士が苦しむ事になっても、俺は伝えたかった。
ずっと溜め込める程、俺は… 僕は強くないから
最後の言葉は伝えられたかは分からないが、伝わっていてもいなくても、後はただ死刑台で執行されるのを待つのみ…
処刑時間の3時まで後数秒。
『――望弥』
「!」
精市の声が聞こえた気がして、周りを見渡す。
勘違いなんかじゃなかった…
大丈夫、僕はちゃんと最後までやり遂げる。
だから…
――ゴーン ゴーン
「ああ、オヤツの時間だね」
生まれ変わったら、その時は一緒に…
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