経験を生かして行こう。
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「ねぇ蓮二、彼女のこと、どう思う?」
部室に走っていく邑を見て、柳に問い掛ける。
柳はその問に「フム」とノートを開くと、口を開けた。
「まだ何とも言えないが、運動能力は高い様だ。
普段通り走っている俺達に着いてきて、更にスピードを上げていた…」
「美舞、邑… か…」
「(精市を悩ませるとはな…)」
柳はペンを取り出し、そのまま何かを書き込んでいく。
途中、幸村の「走りながら書けるんだ…」という呟きが聞こえたが、それでも書き込み続ける柳だった…
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そんな話があったとは露知らず。
俺は部室で冷凍庫の扉を開く。
「おっし、キンッキンに冷えてらぁ」
ランニングを始める前に入れといた水を冷凍庫から取り出す。
良いな、立海大テニス部。冷凍庫あるとか。
これなら夏にアイス持ち込めるし←
冷凍庫から取り出した水を粉末ドリンクと一緒に入れて行く…
あ、なんかこの作業めちゃくちゃ久しぶりな気がする。
「(ま、『気がする』じゃなくて本当に久しぶりなんだけどな…)」
マネージャーも潤斗が死んでからはサボってばっかりだったし、テニスラケットでさえも今だにあれから触ってない…
『邑ー、今日のドリンクは甘いのが良い!』
『お前、こういう時だけ部長の権限使うよな』
『違うよ、個人のお願いだよ』
『尚更ダメだ。』
アイツ、暑いとすぐに冷たくて甘いの要求するもんな…
「(甘めで)」
「はぁ… 仕方ないから、甘めの作ってやるか!」
俺優しくね?(←色々ぶち壊し)
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