ミーハーのふりなんて苦にならない
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「今は姉貴と一緒に東京近くの家に住んどるんよ。
両親は弟連れて色んな所飛び回っとる」


「そういや俺も渡された家が東京の近くだったな…
あ、俺はマンションだったんだけどな?」



結局3限目を丸々サボり、放課になったのを見計らって教室に戻る。



さて、何気に1番人気の潤斗が見知らぬ女子と親しげに話しながら歩いていれば、それなりに目立つ訳で…



『何あの子、仁王君と親しそうに…』


『マネージャーでもないくせに』



等と陰口もちらほら。


邑への陰口が出る度に睨む潤斗だったが、若干怖い事もあってかあまり効果は無い。


そればかりか、潤斗の本質(ヘタレ)を知っている邑には、小動物の必死な威嚇にしか見えなくなっている。

(分かる人には分かる程度のヘタレ加減って事ですよw)



「っ…///
(ヘタレ可愛すぎんだよ!)」



それを見て邑は潤斗の可愛さに悶えてたり…


そしてそれを見て女子がまた陰口を言い、仁王が威嚇するという悪循環…



「仁王せんぱーい♪」


「赤也?」



その悪循環を破ったのは移動教室で2年生エリアに来ていた赤也だった。



「何で2年の所におるんじゃ?」


「仁王先輩に会いたくて♪」



否、移動教室のためである。

(そしてちゃっかり抱き着く)



「潤斗、コイツは?」


「?
(邑は俺よかテニプリ知っとるはずじゃったのに…)

コイツは部活の後輩の切原赤也じゃ。」


「ふーん…
(やっぱりワカメか…)」



邑は自分から聞いておいて興味を無くしたようだ。


いや、確認しただけで、本当に無くした訳ではない。


何故ならその後…



「切原君って言うんだ〜 よろしくね♪」



ニコッと笑ってしっかりミーハーぶりをしていた。



Σ?!!
(どうしたんじゃこの子…)」



そしてビビる。


そんな潤斗に今度は赤也が「この女は?」と聞いてくる。


ただでさえ潤斗と親しげな雰囲気の邑に警戒心丸出しだったのに、ミーハーだと分かれば噛み付かんばかりの勢いで威嚇してくる。



「俺の幼なじみの水野邑(のはず)じゃ。

最初は忘れちょったがのぅ」


「ふーん… あ、俺もう行きますね」


「お、おお…」



赤也はその場に居たくなかったのか、踵を返して走って行った。



幸村先ぱぁぁあい!!柳先ぱぁぁあぁあい!!



と泣き叫びながら。

(途中で「廊下を走るな!」と怒鳴り声が響いたが、全員でスルーという形になった。)


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