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「名前も誰かと組んだらどう?」
「誰かって」
『組むとしたらオプティマスかラチェットね』

後者は嫌がるだろうけれど、と付け加えながらアーシーがジャックの提案に賛成する。
新入りでまだ"相棒"もいない名前は、一緒に帰るというミコの言い分でバルクヘッドに乗せてもらうつもりだった。
実際、名前はミコと一緒にいた方が安心するしそうしたかったのだが、「今日はもう遅いから」という理由で一番家の近いジャックと帰るように言われてしまっていた。
そして慣れない様子でアーシーに跨いでいる当人は、曖昧な返事を返したきり押し黙ってしまう。

ノックアウトに彼女がトラスフォーマーの存在を知っていることを知られてしまっているのだから、保護を優先した方がいい。
今更子どもが一人増えたところで…というのがファウラー捜査官の私見で、その後はジャックたちとほとんど同じ流れだった。
名前のことに関しては家政婦とミコに任せきりであるという両親だ。
ミコは学校の後は毎日のように基地へ来ているし、家政婦や自宅が武装しているわけでもなくミコ宅だってそれは同じである。

「まあ、強制っていうわけでもないから嫌ならそれでいいんだけど」
「ミコと一緒じゃだめ」

本音であろうそれに、アーシーは『決めるのは私じゃないわ』と答える。
ミコは喜んでそれを承諾するだろうし、バルクヘッドもそれに丸め込まれるに決まっている。
オプティマスとファウラーも少し小言が付くかもしれないがアーシーと同じことを良いそうだ。
そして、ラチェットが小言を並べて『じゃあどうするの?』と誰かがあげる声に押し黙る様子もありありと浮かぶ。
なるようになるとは思うけれど。
アーシーは、ばれない様にこっそりと排気を漏らした。

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15/09/07 修正&加筆

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