明日の約束

ミコ、ラフ、ジャックの三人が通っている学校の前から、少し離れたところに止まった。
以前、学校前に止まるゴツイモスグリーンの自分と、自分に飛び乗る女子中学生のミコは、ジャック曰く"ちょっと目立ちすぎる"と指摘されたからだった。
目立たないように、勘付かれないように過ごすのが、オートボットのルールだ。
その日、いつもより遅めにバルクヘッドのもとにやってきたミコは、唐突に切り出した。

「バルクヘッド! ごめん、親友と勉強する約束しちゃったから、今日は基地いけない!」
『へえ。その子は教えるのが上手いのかい?』
「んーとね、私がその子に教わるんじゃなくて、私が教えるの!」
『ミコが教える?』

思わず怪訝な声で答えると、ミコは相変わらず明るい声で「うん、私が!」と言う。

「大きな声では言えないんだけど、その子学校に来てなくってさ。私が、その日ならった分を教える約束なの。今日のはちょっと量が多すぎるから」

明日は絶対行くから! そう言い去っていくミコの背中を見ながら、バルクヘッドは排気を漏らした。

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