3日目

「あんたバカでしょ」
「なんとでも罵ってください」

今日の友人の活動場所は応接室だったらしい。
天気は雨、野外活動を主にする部活動が教室を使うとかで、いつもの場所を追われたのだという。
客人も面談もなければ使い道のない部屋だ、個人的にはこの滅多に人のこない部屋であることに少し安堵していた。

「もう、やめておけば」
「なんで」
「向こうは話し合いを拒否してるわけでしょ、じゃあ名前がなに言ったって無理じゃん」
「じゃあ私の代わりに聞いて来てよ! それなら良いでしょ?!」

半ば八つ当たり。
現実を突きつけられて少しばかり錯乱する。

「そもそも、なんでそう心操に拘るわけ?」
「なにも心操くんだけに拘っているわけではありません、気になるだけです…」
「いやそうなのかもしれないけどさ。周りから見たら、まあ……」
「……"まあ"なに? 最後まではっきり言ってってば!」
「あんたにその気がないなら、そろそろ引き揚げろって言ってるのよ」

ぐうの音も出ず、脳天から何かが突き刺さるような、ぶつけられたような、そんな痛みに耐える。
自分の行為が"しつこい"レベルに至っているのは分かっているのだ。
しかしそれを認めてしまうと、なんだか負けた気がする。
(一体なにに、とは考えない。それこそ悔しくてたまらない。)

「これ以上嫌われたくないんだったら、もういい加減やめておきなって」

しつこいって自覚してるんでしょ、そう追い打ちを掛けられて、なにかが弾けた気がした。

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