Sixth-Contact

名前が学校を休んだ。
先生は「風邪らしい」と言っていた。
けどその先生も少し顔を曇らせていて、風邪じゃないと思った。

「カズ、苗字さんも誘ってまたお店行こうよ」
「それが学校来てなくて…」
「風邪?」
「分からない」


自分の頼りなさには腹が立つ。
結局あのまま、もうすぐ門限だからと帰る苗字を見送ってしまった。
母さんも彼女の雰囲気に不穏なものを感じたらしい。
正直に彼女の話を話したが、自分たちにはどうにもできないこと、と冷たく言い放たれた。

どうにもできないことなんかじゃない。
現に苗字は、俺達といることでLBXに触れられた。
俺でも彼女のなにかを変える事だってできる。

じゃあ、彼女が苦しんでいる元凶を変えられるのか?
母さんは言った。
私も彼女の母親だったら、同じことをしていたかもしれない。
LBXの暴走を見て、自分の愛娘――もとい愛息子にそのLBXを触れさせようなんて。
あんた、幸せだって思いなさいよ。
そこでその場はお開きになった。


「あ、苗字のお母さん」

バンのその声で、全員足を止めた。
顔を上げた先――校門から少し歩いたところに、一台の車があった。
そこで、苗字の母親がじっと立っていた。
それを見て、なぜだか急に、苗字たち一家もごく普通の家なんだなと思った。
彼女の両親が異様にLBXを嫌ってるということを除けば、ごく普通の家なのだ。

親しい人がLBXで怪我をしたんだって

逆から考えろ。
なんで彼らはLBXがあそこまで嫌いなんだ?
ふと、一本の糸が繋がったような気がした。

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