Fourth-Contact

バンとアミに誘われて、キタジマ模型店に新しいLBXを見に行った。
偶然、この前のデパートで出会った店長からそういう話を聞いたからでもあった。
苗字は、この話を知っているのだろうか。
ふとそう思って、次話すときがあったら、そう考えるとなぜだか足が軽くなった。
それにアミが気付いたのか、「そんなに楽しみしてるなんて珍しい」とからかってくる。

「あれ?」バンが、そう声をあげて足を止めた。
店を目前に、なんで立ち止まったんだ。
バンの視線を追いかけると、模型店の前でショーウィンド越しに何かを見つめている苗字がいた。

「あの子、たしかあの"苗字名前"よね」
「あっ、ちょっと、アミ待てって」

アミが不機嫌そうな声でそう言うと、ずんずんと苗字に近づいていく。
そうだ、少し前にアミも彼女の親にいちゃもんを付けられたとか言っていた。
やばい。これはやばい。

「苗字さん、こんな所でなにしてるの?」
「え?」

急に声をかけられて、苗字はこっちを見てびっくりした顔をした。
アミ、バン、オレの順に見て、アミに視線を戻す。

「え、えっと…新作が、出たって聞いて、それで…」
「LBX、嫌いなのによく知ってるわね」
「え?」

それにきょとん、とした顔をするのに、アミもすこし驚いた顔をした。
さっきまで苗字が見ていたショーウィンドを見てみると、新しいLBXが飾られている。

「ナイトフレームなんだけど、いままでと違って軽装で、耐久性も高いんだって。ストライダーほどではないけど機動力もあるみたい。ちょっと高いけど…」
「あの、苗字さん?」
「あっ。えっと私、親がああだけど、LBXは嫌いじゃないの」

もしかして、私の親がなにかしちゃった?
苗字は眉毛をハの字にして、不安げにアミを見た。
この顔はやばい。アミの反応次第では逃げ帰ってしまいそうだ。

「ア、アミ、苗字さんはその…」
「なんだぁ! 苗字さんもLBX好きだったの?!」
「う、うん」

急に態度を変えたアミに、苗字もだがオレも驚いて思わず「えっ」と声を上げてしまった。
同時に三人の目がこちらを向いて、ぐ、と少し退いた。

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