Second-Contact

翌日、オレはおそるおそる教室に入った。
時間は遅刻ギリギリ。もうすぐ先生が来る頃だ。
苗字はいつものように、自分の席でなにかの本を読んでいる。
そういえば、彼女はいつも何を読んでいるんだろう。
同じクラスだけれど、オレは彼女の名前と両親がLBX嫌いなことしか知らない。
まあ意図的にオレが彼女を避けていたせいでもあるが。
チャイムが鳴って、それと同時に先生が入ってくる。
ちらりと苗字を見ると、目が合ったような気がした。


「あの、青島くん」
「うわっ!」

3時間目の移動教室のときだった。
その移動中、後ろから肩をツンツンと叩かれて、控えめな声で名前を呼ばれた。
振り向くとそこには苗字がいて、思わず後ずさった。

「ご、ごめんねっ。あの、これっ」

そのオレの態度にビックリしたのか、苗字は眉尻を落として慌てて片手を差し出した。
いくらなんでも今の態度はまずかったか。
心の中でそう悔やんで、差し出した手を見ると、そこには深緑のパーツがあった。

「これ…ウォーリアーの」
「えっと、庭に落ちてたの。お母さんたち、LBXはキライだけど詳しくないから…」

苗字がこれをウォーリアーのパーツだと分かっていたことに驚いた。
しかも分かりづらい腕の関節だということまで言い当て、唖然とする。

「さ、さんきゅーな」
「うん。じゃあ」

お礼を言うと、さっと歩いて行ってしまった。
その背中をみながら、そういえば彼女はいつも一人だったなと思った。

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