Seventh-Contact

苗字がまた学校を休んだ。
先生はさらに顔を曇らせていて、級友たちはヒソヒソと不登校?なんて話している。
そもそも滅多に学校を休むような感じの子じゃなかったし、オレだって彼女と親しくなっていなければ彼らと同じ反応をしていたかもしれない。

「カズ! 早く行こう!」
「わ、分かってるよ!」

HRが終わるのと同時に、バンが教室の扉を開けてそう叫ぶ。
一気にクラスの視線が集中して、それから逃げるように教室から出た。

走りながら、これが本当に正しいことなのか、頭の中がいっぱいだった。
苗字の母親は彼女を想ってLBXから必死に遠ざけていた。
けれど彼女は、LBXの記憶を暴走といっしょに忘れても、ずっとLBXを好きでいた。
世の中、LBXの危険は暴走だけじゃない。
悪用する人間だっているし、そうでなくても苗字がまた傷つくかもしれない。

「苗字、いるかな」
「いるよ。絶対」

踏切を待っている途中、そうぼやいた。
空は苗字が家に来た日のように曇天で、今にも降り出しそうだ。
それでもバンは、一片の曇りもない顔でそう言い張った。
苗字と家族は、仲良く見えてるようで違った。
深い溝がある。それをなんとかしたい。でも。

お店の前では、苗字の母親が一人で立っていた。
それにドキリとする。

「名前は中にいるわ。私がそばにいると、落ち着かないみたいで」

店内に入ると、苗字がLBXを眺めながら不安げな顔をして待っていた。

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