頬に貼り付けられた手は著しく冷たく、思わず身震いしそうになった。
ベストを着用して、マフラーまで巻いているのにも関わらず、柳生の手は冷たい。そう思うまま述べたところ、『貴方の方が変わっているんです』と妙に不服そうな顔で返答があった。
冬は寒い。だから手足が氷のように冷たくなるのは致し方がないことである。柳生の論理に、だから何だと若干真田は困惑した。
冬が寒いのは事実だ。だが寒いから手足が冷たくなるかといえばまたそれは別の話であろう。現に俺の手は冷たくなどない。





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