――翌朝
No nameは沙織のことを気にかけ少し早めに起きた。リビングに出てみると沙織はまだ寝ていたようでNo nameは少し安心しキッチンへと入っていった。
「おはよう。」
「あれ。No name今日は早いね。」
「ちょっとね。…少しだけ、心配だっただけ。」
「そう。――ま、何とかなるでしょ。タバコ吸ってくる。」
久保田が起きてきてベランダへタバコを吸いに出た。それから、しばらくして電話の音が部屋中に響き渡る。
「――はい。もしもーし。…あんたか。久保ちゃんに替わる!…俺が構う!!久保ちゃん!!くーぼーちゃん!!電話!モグリ野郎からっ。」
「あ、そう。――はい俺です。………」
No nameはキッチンから出てきてコーヒーを時任に渡す。その時に、沙織が起きていることに気が付く。
「おはよう。――沙織。」
「…なんだ、お前起きてたの。」
「…おはよ。」
「あ、時任。電話、投げないでよね。」
そう言い残し、No nameはキッチンへと戻っていった。
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