「――アナタ、お家に帰らなくていいの?」
「え…」
「こんな時間だし、親御さん心配してるんじゃない?」
そう、問いかけると女性は気まずそうに顔をそらす。
「今…家出中だから…」
「はあ!?うちに泊まるつもりじゃねーだろうな!?」
「だって――お金ないし、泊まるとこも、ないし。」
「いくらNo nameがいたとしても常識外れもいいとこだぞ!!」
「お前に常識問われちゃあおしまいだね。」
女性は、泣きそうな顔をする。それを見て、No nameは久保田に目配せをする。時任を上手に扱えるのは久保田だけだからだ。――逆もまた然り…なのだが。
「――いいよ。泊めてくれるなら何しても。今までもそうしてきたし。」
「「キョーミない。」
「あ・そう。」
「アナタ。身体、大切にした方が良いよ。だいたい、こんな時期に家出しなくてもいいじゃない。」
No nameの問いかけに女性は家出した経緯を話し出した――。
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