沙織に食事を運びながら考えるのはW.Aのこと。彼女はW.Aとは無関係だろう。
しかし、こちらにある情報が少なすぎるため少しでも多くの情報を得るために彼女に酷なことを強いるだろう。
そうこうしているうちに、沙織の病室に着いた。
「沙織。調子はどう?ご飯持って来たの。少しでもいいから食べて?」
「妊婦だから点滴も打てねえって…」
その時、時任がトレイを落としてしまった。――右手の手袋も同時に取れてしまう。
沙織は時任の右手を見てパニックになってしまった。久保田がうまく対処したおかげで大事にはならなかった。
No nameは「やっぱりね。」と言い傍観していたようだ。何が起きても手助けするつもりはなかったらしい。
沙織が落ち着きを取り戻したところで本題に入るこ
▼ ◎