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「――おい。No name。」
「はい。」
「お前も、戦え。お前は自分に足りないものは実践だといったな。なら経験を詰め。師たちがお前をどんな風に育てたかったが知らねえが生きていきたいなら戦え。足手まといはいらない。」
「ちょっと。三蔵。いくらなんでも急かし過ぎです。」
「うるせえ。No name。戦い方は知ってるんだろ。戦え。」
三蔵の言葉に、私はこれからのことを考える。
彼らの眼を見る。彼らは私が戦えるようになるのを待ってくれている。
私は、みんなに会うために来た。望みは、捨てていない。だから覚悟を決めた。
みんながくれた力で、生きるために命を奪う覚悟を。
自分のために、みんなが守ってくれた綺麗な手を血に染める覚悟を、決めた。
「戦います。――生きるために、足手まといにならないように、戦います。大丈夫。ちゃんと殺せます。」
「No name。無理しなくたっていいんだぜ?まだ、こっちに来たばっかりだし。殺したことないんだろ?」
「大丈夫。殺すことは案外、簡単だと思うから。乗り越えて戦い続ける理由が私にはあるから。殺せるし、後悔しないし、前を向いて生きていけるよ。」
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