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 ――その時、No nameは何かを感じ取った。たくさんの気のようなもの。それと同時に4人が席を立つ。


 「No nameちゃん。妖怪だ。」

 「妖気?」

 「そう。けっこーな数が近づいて来てる。早く町を出た方がいい。」

 「そう。わかった。」


 外に出ると、皆なぜ町を守ってくれないのか。妖怪を倒してくれと口々に言う。早く、町を出なければならないのに引き留められてしまった。そのせいで妖怪たちが来てしまった。


 「妖怪妖怪と騒いじゃいるがあんたらはただ強迫観念にかられてただけじゃねえか。」

 「第一、その三蔵の噂がすでに的外れなんだよ」

 三蔵の言葉に真意を聞こうと口を開くがそうもいかなくなった。もう、どうすることもできない距離に妖怪たちが集まってきてしまった。
 ここまで、近づけばNo nameでもわかる。妖気を感じることができなくとも気配を感知することはできる。

 「さんぞう。妖怪が…向こうの方から来てる。」

 「あぁ。…いいことを教えてやる。俺たちが妖怪を退治して廻ってんじゃねえ。妖怪が俺達を狙ってくるんだ。」






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