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「ねえ。君さ、名前何てゆーの?」
もともと怪しいのに、“次郎”が宿のお姉さんを口説きだす。“太郎”は「怪しさに拍車をかけるな」と蹴り飛ばしたことで喧嘩になり騒がしくなる。
見た目も相まって余計に怪しい集団と化していた。唯一の救いと言えば、子供が2人いたことだろう。
“四朗”と“花子”だ。特に女の子がいたことで思っていたより不振がられることもなく宿を取ることができた。
「…あーあ。いつまでこんなカッコしなきゃなんねんだろ。」
「しかたねーだろ俺たちのことがこんな騒ぎになってる以上はな。」
――とん…とんとん……
「あれ?」
「どうした?」
「ううん…なんでもない。」
話をしていると足音が聞こえたがこの部屋の前で止まった。それに“花子”は気が付いたが気にするほどでもないと放っておくことにした。――やましいことは何もないのだから。
「それより…騒ぎになってるのはわかるけど、私はこんなカッコしなくても…。」
「まあ、“花子”はそうですよね。でも、念のためです。僕たちは見られたら一発で正体バレますからね。」
「そーそー特に“太郎兄さん”がな。」
「ぶっ殺されてぇか貴様。」
4人は外で聞いている人がいると気づかないまま話を続ける。
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