越えられない壁





 No name含む一行はここで何とも言えない問題に直面していた――。


 「てかさ、ジープって4人乗りじゃん。No nameどーすんの?」

 「「「「………」」」

 旅立つ前、悟空のそんな一言で始まった――席取り。誰がどこに座ろうとNo nameはあいた所に座るつもりでいたがそうはいかなかった。

 「僕は、運転手ですから移動はできませんね。かといって女性を後ろ…特に悟浄の隣に座らせるのは反対です。」

 「おい!どーゆー意味だよ八戒!俺としちゃあバカ猿よりNo nameちゃんが隣にいてくれた方が良いんだけどな。」

 「おい。俺に後ろに行けってか?」

 なかなか、決まらない。
 八戒と悟空はどこでもいいようだが三蔵が助手席から動きたがらない。たまに悟浄と変わっていることもあるようだが基本、三蔵は助手席にいる。

 No nameは後部座席の真ん中でいいと思っていたのだが言い出せない。八戒が怖い笑顔で女性を後ろに――ましてや乗せる気なのかと言うからだ。
 いや、言ってはいない。言ってはいないが、その笑顔が言っている。

 ――しかし、こうしていても決まらない。旅立つことができない。もともと自分はどこでもいいのだ。
 No nameは勇気をだして声を上げた。







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