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 あまりに必死に訴えるものだから皆、黙ってしまう。まるで開いた穴を埋めようと理由を探し求め、何かの影を追いかける様は…どこか重なるところがあったのだろう。

 「足手まといはいらない。お前がまともに戦えるとは思えん。」

 「三蔵。No nameちゃんはそんなモンない世界から来てんだぜ?それを求めるってのは酷なんじゃねーの。」

 「――わかっています。でも、私は自分を守る術をちゃんと持っています。私に足りないのは…実践だけです。」

 No nameのその言葉で、先ほどの戦闘を思い出す。確かに、自分自身を守ることはできそうだ。しかし、力が不安定なのかすぐ気を失ってしまったのも事実。本人の言う通り、実践が足りていないのだろう。


 「三蔵。良いじゃないですか。力に関してはこれから特訓していけばいいんですから。」

 「そーだよ!しかもNo nameめちゃくちゃつえーじゃん!なーさんぞー!」

 「うるせえよ!このバカ猿!――勝手にしろ!」


 三蔵のその言葉を聞き、八戒、悟浄、悟空はうれしそうにNo nameに話しかける。No nameは認めてもらえるとは、思っていなかったために呆けた顔をしている。

 実際、No nameを連れるメリットなどほとんどない。女であることから気を使わせるだろう。女であることから野宿の方法も変えなくてはならないだろう。部屋も余分に取る必要があるだろう。力仕事も、鍛えている男たちがいるのだからNo nameの出る幕などありはしない。

 ――それを含めて、認めてもらえたことがNo nameにとってうれしくもあり、申し訳なくもあった。だが、認めてもらったのだからNo nameは宣言した通りやることにする。実践を多く積むという事は、今までの生ぬるい生活には戻れない。だが、No nameは皆の手を取ったのだ。――







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