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「死んだよ。」
「え・・・?」
「さっきも言ったが、お前の言う“峯明”は俺の師だ。間違いないだろう。…師である光明三蔵は――死んだ。」
No nameは信じられなかった。あんなに飄々と生きていて、だれよりも才があって強かったのに――死んでしまった。
約束を、したのに。忘れないって言ったのに。死んでしまった。
「おそらくだが、師と同時期に三蔵になった剛内三蔵がいるが――」
「――死んでしまったんですね。」
「ああ。今は違うやつが無天経文を所持している。」
「――そう、ですか。たぶん、桃醍なんだろうな…」
No nameの中では、希望はもうなかった。三蔵のいう事が本当ならば年齢的に亡くなっている人は多いだろう。もともと三蔵になる人の中に若い人はあまりいなかった。
また、会えると信じていた。だが、人は時間に逆らえない。まさか、そんなに長い年月が経っていたなんて思いもしなかった。
「・・・」
絶望の淵に立たされたかのようなNo nameに八戒や悟浄は見ていられなくなりある提案をする。
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