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 「みんなの名前は…」

 No nameはみんなの名前をあげていくと共に外見の特徴も告げる。ただ、どのくらいの月日がこちらで経っているのかわからない。今と違うかもしれない。そう、一言。

 No nameは名前を言うたびに切なくなってくる。そんな奴は知らないという顔をされる。

 しかし、ある名前を口にした途端彼の――三蔵の顔つきが変わる。

 「玄灰はね小さい、妖怪で…おでこに文様があるの。」

 「……?」

 「桃醍はねすごく大きいの。それでね、髪が黒くて長くてねおとうさんみたいなの。」

 「峯明はね、金髪でね髪は首が隠れるくらいなの。いつもニコニコしてて、どこか抜けてるとこがあった。それで、敬語で…いたずらするし、修行をよくサボってた。」

 「!――おい。そこには、三蔵法師はいなかったのか?」

 その時、三蔵が反応をした。何か知っているような心当たりがあるような顔をしている。No nameはわらにもすがる思いだった。

 「いたよ!名前はね、待覚サマっていうの。――しって、ますか?」

 「!?おまえ…何年前から生きてるんだ。それは俺が生まれる前だ。」

 「――え?」

 「待覚三蔵は俺の師が三蔵になる前に三蔵だった。師のことを知っているようだったし――お前の言っていることがほんとだったとすると相当な年月が経っている。外見にも差が出てくるだろうがお前の言う特徴は師に似ている。」

 「じゃ、じゃあ!だれ!?あなたの経文は誰から受け継いだの!?あいたい!会わせて!」


 No nameの必死の訴えに三蔵は痛みを堪えるように言った―――。








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