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「では、No nameさんのことも聞いてもいいですか?」
「私の、ことですか?」
「お前の力だよ。なんで、湖から出てきやがった。法術はどこで覚えた。真言もなしに術を発動してたな。なぜだ。」
No nameは迷っていた。本当のことを言うべきなのか。
言ったところで信じてくれるのだろうか。また、異形のモノ扱いをされるのではないだろうか。
そもそも「アナタ達のことを知っている。夢に出てきたんだ。」「感覚的には5年ほど前はこちらの世界に住んでいた。知り合いがいる。その人たちに会いたいのだ。」
こんなこと言ったところで「ふざけるな。そんな夢物語に付き合っている暇はない。」と言われて終わりだろう。
「――しんじて、もらえない。私の大切なものを、バカにされたくはない。」
「あ?」
「言いたく――ない。」
「おい!おまえ――「三蔵。」…ちッ!」
「バカにしませんよ。何があるかわからないですからね。結構、僕らも信じられないようなことの塊のような集団ですから。」
No nameの中で葛藤は続いていた。しかし、峯明たちに会いたい。夢に出てきている。きっと、何かの縁があるのだろう。そう、考えていたのだろう。No nameは重い口を開いた。――
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