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 「――ッ!これは…あの女!?」

 「三蔵!なんだよこれ!」

 「あの女の子、どう見ても妖怪じゃねえよな?!」

 「これは…法術?!なぜ彼女が法術を…」

  ――みんなが私にくれた。自分を守る術。体術。法術。知識。全部教えてもらった。
   何一つと忘れてはいない。あの時みたく、私を守ってくれる人はいない。

  自分で守らなくちゃ――



 「あの。大丈夫ですか?どこか怪我は…ッ!」

 「おい!どうした!?だいじょーぶなのか?」


 しばらくすると妖怪たちは皆逃げてしまっていた。No nameは息を乱し立っているのもやっとの状態になっていた。

 男たちがNo nameに近づいたとき、No nameの体が大きく揺れそのまま倒れた。気を失っただけだが、顔色が悪くやはりどこか怪我をしているのではないかと心配になる。

 
 「とりあえず、僕たちのせいで巻き込んでしまったようですし次の町まで連れて行きましょう。――いいですね。三蔵。」

 「ちっ――勝手にしろ。」

 「まあ、三蔵様も俺達も、この子も互いに聞きたいことあるしいいんじゃね?」

 「てかさ、何もしてないけど――はらっへたぁ!」

 「うるせえ!このバカ猿!さっさと行くぞ!」



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