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 術がうまくいき綺麗にNo nameの胸に桜の花が咲いた。普段は見えないが、No nameのことを助けてくれる花だ。

 そのあと、皆は前もって用意していたのか持っていけないかもしれないというのに“モノ”の贈り物をした。
 ピアス、数珠、ネックレス、髪留め。たくさんNo nameに贈られた。


 そして、数日たった日に変化起きた。


 「―――No name?」

 もうNo nameの体は消えかかっていた。わかっていたことだ。でも受け入れがたい。

 「峯明。玄灰。桃醍。蝶庵。丸福。隆善。青藍。抄雲。義兆。道卓。宗迅。」

 「No name」

 「わすれないよ。ぜったいにわすれないよ。」

 「俺達もNo nameのことを忘れないでいるさ。」

 「ぜったいだよ。」
 
 「約束だな。」

 「うん!やくそく。やぶらないでね。」

 「次、会えたら外で遊ぼう。ね。これも約束だよ。」

 「うん!」

 「No name。ありがとう。」

 「玄灰?」

 「No nameのおかげで楽しかった。」

 「No name。玄灰だけじゃないですよ。私も楽しかったです。」

 「わたしもたのしかったよ。」

 「じゃあ、またね。」

 「うん。…うん!またね!」

 
 こうして、皆で別れを惜しみながらNo nameは消えていった。
 しかしこれは永遠の別れではない。きっとまた会えると皆どこかで確信していた――――。




1st end




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