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峯明は宗迅(カーネル)に言われ、何かNo nameに残すことができないかを考えていた。No nameの体は日に日に薄くなる。騒ぎのことを考えると、部屋の外からは出られなくなっている。
変わったことと言えば最近青藍がNo nameに法術を教えていることだ。なんでも、No nameに才があったとかで簡単のものであれば術を使えるようになったようだ。
それがさらに峯明を悩ませている。青藍はNo nameにはっきりとした形ではないが残るものを与えている。他の皆も同様に桃醍たちは学問を蝶庵は美容に関することなど何かしら与えている。自分がNo nameのために何をすべきか答えが見つからないまま過ごしていた。

「峯明。」

No nameの呼ぶ声に意識を現実にもどし、No nameを膝の上に乗せる。ここに連れてきたときからこうやって話していたせいか成長しても変わらず膝に乗せ話をする。

「おやNo name。どうかしましたか。」

「元気ない?どうして?」

「…そうですねえ。No nameは私から何か欲しいですか?」

「…いらないよ。峯明からはたくさんもらったから。みんなと居れるのは峯明のおかげだって桃醍が言ってたよ。だから、いらないよ。」

 「――そうですか。でも、何かあげたいんですよねぇ。」

 「何でもいいよ。峯明がくれるならなんでもいい。」

 「うーん。何でもいいって困っちゃうんですよねー。」


 その様子を見ていた青藍や隆善が提案したのは形に残るものであった。
 本試験の時のように自分たちが力を貸すから、No nameのためのお守りを作るという話だ。しかし、普通のお守りではもし消えてしまったときNo nameが持っていけるかわからない。
 よって体に埋め込むようなお守りにしようという事になった。





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