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「――というわけでして、この子をここで育てる許可をください。」
「峯明!どういうことだ!違反をするばかりか「――よい。さがれ。」
「待覚法師。しかし、ここで育てるよりも育ての親を探す方があの赤子のためでは」
「そうかもしれんの。――だが、赤子はアヤツに懐いておる。攫ってきたわけでもない。ならば特に問題はないじゃろう。育てるのであれば名前を付けてやらんとな。」
こうして赤子は一ノ班のもとで育てられることになった。しかし、ここで問題が残った。名前だ。誰が名付け親になり、どんな名前にするのか。一ノ班はもめた。結果、赤子の名前は拾ってきた峯明が付けた。どんな境遇にあろうとも強くあるようにと願いを込め「No name」と。
No nameと名付けられた赤子は意味が分かっているのかいないのか。名前を呼ばれるたびにどこかうれしそうに笑うのであった。
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