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はじめまして
これは、偶然ではなく
必然だったのでしょう。
彼が、私とあなたを引き合わせた。
私には何もないけれど、あなたのそばにいたいと
あなたと一緒にいたいと強く思うのです。
だから・・・・・
―――――――――――――
少女は夢を見ていた。それはとても幸福であると同時にひどく悲しい夢。
少女は夢の中でずっと考えていた。
これは、ただの夢なのだろうか。もしかすると現実なのではないだろうか。なにせ、最近は夢と現実の区別がつかなくなってきているのだから。
そのせいで、親からは気味悪がられた。クラスメイトは離れていった。だが、少女はそれが悲しいとは思わなかった。むしろ当然とさえ思っている。
確かに、自分たちが知らない歴史にも載っていない話を現実にあったように話すのだ。しかも、体験したように。これでは気味悪がられてもしょうがない。
―――おかしいのは自分が一番よくわかっている。夢のことを知りたいのは自分だ。夢を夢と思えない。
ああ、なんだろう。夢のことを考えていると途端に眠くなる。いつもそうだ。だから、肝心なことは何も思いつかないまま寝ている。
収穫は夢くらいなものだ。結局夢は夢でしかないのだから起きたら曖昧になっているのだけれど。―――
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