どうやら互いに協力者を得たらしい。というのも、最近のさつきは私と黒子くんをやたらと引き合わせようとしている。こちらとて、新しい黒子くん情報を得れるため別に構わないといえば構わないのだが、私の協力者である黄瀬からは疑いの目を向けられている。やましいことがあれば、毎晩毎晩こうして報告なんてしないのだが。

「○っち、最近黒子っちと仲よすぎじゃない?」
「さつきに言ってよ」
「黒子っちがそっちに言ったら、必然的に桃っちがこっちにくるんスよ」
「そりゃあ、そういう作戦だからでしょ?」
「はあ…まじ勘弁して欲しいっス」

以前、黄瀬が女性恐怖症だなんて噂が流れたことがあるが…あながち間違いではないらしい。私にもさつきにも、此方から近付かない限りは、ある一定の距離から近づいたことはない。そして、さつきからのアタックによる参りようだ。ご愁傷様、でも羨ましい。溜息を吐く姿まで麗しいなんて、イケメンとは得するイキモノだ。

「しかもさ、黒子っちまで『モモイサンガーモモイサンガー』って言うんだから、っんと頭いてーっスよ」
「向こうも私達と一緒で手を組んでんしょ」
「だろうけど…。で、今日の収穫は?」
「あぁ、そうだ。今度4人でデート行くよ」
「はっ?デート?」
「そう、デート」

事の発端は今日の昼休みに遡る。例のごとく、さつきの手により2人でお昼を取ることになったのだが。その際に黒子くんから「遊園地に行きませんか」とのお誘いがあった。遊園地なんて彼のキャラでもないあたり、これもさつきが仕組んだんではなかろうか、と思う。薄々感づいてきた彼の矢印の方向と、そんな彼を思う協力者を思い浮かべ「せっかくだから、さつき達も誘おう。大人数のが面白いよ」と提案した私は褒められてもいい。ただ単にさつきと行きたかっただけだろう、と言われればそこまでであるが。

「つーか、遊園地で2人組って男女にしかなんねーじゃん」
「そこは私の腕の見せ所でしょ?」
「…ほー」
「女子にはね、女子同士でしか乗りたくないものとか、行きたくない場所とかあんのよ」
「ま、そのへんはよくわかんねーけど、頼みますわ」
「言っとくけど、あんたにもさつき引き剥がすの頑張ってもらわないといけないんだから」
「げえ…、桃っち粘り強いんスよねぇ」
「そこもさつきの可愛いところじゃない」
「惚れた贔屓目っスよ、それ」
「どうも」

なんだかんだ、週末にはまた4人で出かけることとなる。ここでどう出るかで今後の作戦・駆け引きが決まるんじゃなかろうかと一人考えているのだが。うまくいくことを願うばかりだ。




(120714)
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