焼けるような日差しとの相乗効果なのか、近寄ってくるアイツは眩しすぎるし、とにかく暑いし、熱い。「なあ、名前ってば!別にマネージャーやってくれってまでいってねえじゃんかあ」「だから!オレはそういう所に行く気なんてさらさらねえの!」「お前になくっても俺には来て欲しい気持ちがあんだってば」出していた教科書を整え、机に片付ける。その間も目の前の高尾は私の机に顎をくっつけ、こちらを伺う視線を寄越している。呆れたような視線を送るもさらっと流すコイツが、どうにもこうにいけ好かないのだ。「試合だけじゃん?いいだろ?」「良くない。なんでわざわざ休日にあんたのために出かけなきゃならないの」「俺だけじゃなくって緑間も宮地先輩たちもいるだろ?」「そいつらも知らないっつってんだろ」机脇にかけておいた鞄を上にあげ、彼と自分の間に壁を作る。必要な物が入っているのか確認していると、視界に影ができた。視線をちょっと上げるとにたりと笑う高尾と目が合う。「何回も来いとはいってねえしさ」「オレ、そんな暇じゃねえし」「1時間くらいでいいから」「イヤ」突っぱねるような言葉をかけ、鞄を手に取ろうとするも虚しく、それは彼に阻止された。鞄の肩紐の片方は彼の手の中にある。「離せ」「名前が首を縦に振んねえと無理」「じゃあ一生無理じゃん」「そんなこと言わずにさあ」懇願するような態度をシカトしようとする姿は、高慢な女に見えるのだろうか。互いに一歩も退かない状況に溜息が零れた。「…30分」「え」「30分なら行ってやってもいい。それ以上は無理」「マジで?」「まじまじ。だから離せ」くいっと鞄を引っ張れば、思いの外勢い良く手元に戻ってくる。ちらり彼を見やれば、目を爛爛と輝かせていて。こういうところは可愛いかもしれない…なんて思ってしまった自分をビンタしたいと思う。




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▼りんか様リクエスト
押せ押せな高尾くんとそんな高尾くんが苦手なオレっ娘のお話
リクエスト有難う御座いました。
120722
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