小金井慎二、高校1年生。バスケ部に入部しているが、バスケは超初心者。そんな俺は只今、素敵な恋愛真っ最中だ。





同じクラスの名字さん。特別かわいいってわけじゃないが、俺の中ではダントツ好みの女の子だ。もしも次のチャンスで全国大会へ行けなかったら、全裸で告白は彼女に向けられてやるのだろうな、と。

「水戸部、今日も名字さんはかわいいね」「……」(こくこく)「うんうん、あの素朴な可愛らしさがいいんだけどね。あ、好きになっちゃダメだぞ」「……」(ふるふる)「そこまで遠慮しなくてもいいだろー。ま、いっか」

水戸部とちょっとばかし難しい課題に取り組む。馬鹿でもバスケはできるけど、馬鹿じゃ勝てないとカントクには耳にタコが出来るほど言われている。ただでさえ初心者でバスケ部の足を引っ張っているというのに、勉強でまで足を引っ張ってしまったら、最悪だ。自己嫌悪に苛まれていると「小金井くん」と鈴を鳴らしたような声。

「え、はい!」「水戸部くんも、小金井くんも、バスケ部だよね?」「う、ううう、うん!」「…」(こくこく)「都大会ベスト4おめでとー!すごいねー、新設校なのにもうベスト4なんて」「あ、りがとう」「次の試合っていつあるの?」「今度は、冬…かな?」「…!」(こくこく)「そっか、冬か…じゃあ、観に行こうかな」「え?!ほんとに?」「うん、友だちといきたいねーって話はしてたんだけど。そっかそっか、冬か」

練習頑張ってね。そう言い残して、俺の想い人は笑顔で去っていく。あー、やばいやばい。何事もなかったかのような態度はとれていたか定かではないが、ばくばくと音を立てる心臓は俺にしかわからない、はず。

「どうしよう、水戸部…次の大会、俺、でれるかな…」「!!」(こくこくこくこく)「ありがとー、でも不安だなー」「…」(おろおろ)「うっそだよーん!名字さん来てくれるならがんばんねーとな!」「…!」(ぱああ)

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10000hits・小金井くん
120707
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