ぴっとりと鉄平の大きな背中にくっつく。とくん、とくん。心地良い生命のリズムに目をこする。「なにしてんだ、名前」「鉄平充してる」「なんだそりゃ」くつくつと笑う音も、背中を通して聞くと暖かい音色に変化する。届くはずもないのに、鉄平の前へとうでを伸ばすと、重ねられる大きな掌。ふふっと声を漏らすと、思い切り体重をかけてくる背中。「んもー、おーもーいー」「そんなことはないぞ」「ありますー私の体重は鉄平の半分とちょっとしかありませんー」「そうだったか?」「疑うの?」「この前お腹触った時、ふにっと」「うっ…きもちーとか言ってたくせに」「気持ちよくなったのは名前だろ?」「ばっ!ばか!」背中に思い切り頭突きをかますと、痛い痛いと言いながらも笑う鉄平。リラックスできるようにと焚いた甘いカモミールジャーマンの香りが鼻孔を通る。ポフッという音とともに混じったのは鉄平の香り。 ―ああ、ベッドに押し倒されたのか。「変態」「聡い名前ちゃんはお仕置きされるのがわかったのかな」「優しくしてね」「もちろんさ」



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10000hits・木吉先輩
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テーマ「人外ファンタジー」
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